自閉症を体験できる?阪大と東大が開発中の「自閉症知覚シミュレータ」がすごい
自閉症の知覚体験シミュレータ
皆さんは、この名前を聞いたことはありますか?
大阪大学と東京大学が開発中のシミュレータです。
ヘッドセットを装着することで、自閉スペクトラム症の方々に世界がどう見ているかを体験できるものです。
自閉症の困りごとの一つに、「コミュニケーションが苦手」という社会性の問題があります。
大阪大学と東京大学が開発中のシミュレータです。
ヘッドセットを装着することで、自閉スペクトラム症の方々に世界がどう見ているかを体験できるものです。
自閉症の困りごとの一つに、「コミュニケーションが苦手」という社会性の問題があります。
それは、定型発達の方からすると理解しがたい行動に出ることもしばしば。
その行動や問題の根底には「どのように見て、どのように感じるか」という感覚の違いがあり、
その行動や問題の根底には「どのように見て、どのように感じるか」という感覚の違いがあり、
その差を理解することで周囲の理解が深まり、支援の幅も広がっていくのでは、という視点で
研究が進められているそうです。
実際に、息子の見る世界を体験してみた
5歳の息子は人混みが苦手で電車もショッピングモールもダメ。
それでも私は「もう少し大きくなって場に慣れれば平気になるのでは」と考えていました。
ところが、開発している大阪大学特任准教授・長井志江先生の講演でこのシミュレータを
それでも私は「もう少し大きくなって場に慣れれば平気になるのでは」と考えていました。
ところが、開発している大阪大学特任准教授・長井志江先生の講演でこのシミュレータを
体験してからは、それは大きな間違いだったと反省しています。
白くまぶしい世界、色のないぼんやりした世界、ノイズが飛び交う世界に「慣れれば大丈夫」だなんて、とても言えません。
白くまぶしい世界、色のないぼんやりした世界、ノイズが飛び交う世界に「慣れれば大丈夫」だなんて、とても言えません。
(1)まぶしい世界
輝度によるコントラストの強調・高輝度化、と言うそうですが、
私たちが雪山に降り立つと周囲が白くてまぶしい、と感じることがありますよね。
そういった状態が、日常生活でも起こり得るのです。
騒々しい場所や往来の激しい場所など、周囲の環境によって視覚に変化が起こるそうです。
この視覚変化が起こると、表情の判別どころか目の前にいる人が誰なのかもわからなってしまうと知りました。
園や学校で視覚変化が起こったら、授業を受けるのも人間関係を築くのも、とても難しいことだと感じました。
そういった状態が、日常生活でも起こり得るのです。
騒々しい場所や往来の激しい場所など、周囲の環境によって視覚に変化が起こるそうです。
この視覚変化が起こると、表情の判別どころか目の前にいる人が誰なのかもわからなってしまうと知りました。
園や学校で視覚変化が起こったら、授業を受けるのも人間関係を築くのも、とても難しいことだと感じました。
(2)色のない世界
騒音を耳にしたり、早い速度で動くものを見たときにも視覚変化が起こり、色が無くなり
白黒に見える無彩色化や、ぼやけて見える不鮮明化と呼ばれる状態になっているそうです。
その例として電車がホームに到着する映像をみましたが、電車がこちらへ向かって、
その例として電車がホームに到着する映像をみましたが、電車がこちらへ向かって、
目の前を通り過ぎる際に、色が消え白黒の世界になります。そして、視界はぼんやりとするのです。
これでは乗車する電車の情報を得ることは難しく、スムーズに乗り換えができるとは思えません。
これでは乗車する電車の情報を得ることは難しく、スムーズに乗り換えができるとは思えません。
(3)ノイズのある世界
視野全体に砂嵐状のノイズが入ることがあるそうです。
この状態になる方はあまり多くないそうですが、片頭痛患者にも類似した症状が出るそうで、
この状態になる方はあまり多くないそうですが、片頭痛患者にも類似した症状が出るそうで、
片頭痛もちの私はこれをよく経験します。
チカチカとした砂嵐状のノイズのせいで、とても目を開けて普通に過ごせる状態ではありません。
周囲の環境によって、この砂嵐が出てくるのだと思うと、積極的に外出する気にはなれないと感じました。
チカチカとした砂嵐状のノイズのせいで、とても目を開けて普通に過ごせる状態ではありません。
周囲の環境によって、この砂嵐が出てくるのだと思うと、積極的に外出する気にはなれないと感じました。
「大丈夫だよ」ではない対処法を
特定の交差点に差し掛かると必ず「まぶしい」と怖がり抱っこを要求する息子。
彼に必要なのは「大丈夫だよ」という言葉かけではなく、
彼に必要なのは「大丈夫だよ」という言葉かけではなく、
帽子を目深にかぶらせて目から入る情報を減らし、耳を塞いで刺激を遮断してあげることだったのです。
このシミュレータを利用した体験は、私にとってとても大きな気づきになりました。
自閉症の息子には、私たちが体験したことのない、とても過ごしにくい世界にいたのです。
彼の見えている世界を少し体験したからといって、全ての困りごとを解消して
このシミュレータを利用した体験は、私にとってとても大きな気づきになりました。
自閉症の息子には、私たちが体験したことのない、とても過ごしにくい世界にいたのです。
彼の見えている世界を少し体験したからといって、全ての困りごとを解消して
あげられるわけではありませんが、少しでも理由がわかるとサポートの方法も変わってくるものです。
みなさんも、もし知覚体験シミュレータを利用できる機会があればぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
みなさんも、もし知覚体験シミュレータを利用できる機会があればぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
SNS情報
大阪大学と東京大学が共同開発した、「自閉症知覚シミュレータ」をご存知ですか?
ヘッドセットを装着することで、自閉症スペクトラムの方々に世界がどう見えているかを体験できるものです。
(詳しくはこちらのコラムもご参照ください。 https://goo.gl/B7ObFx )
今回、開発者の一人である大阪大学特任准教授の長井志江先生のご協力をいただき、
発達ナビ会員の方にシミュレータを体験利用いただける企画を10月15日(土)に東京で実施いたします。
白くまぶしく光る風景、色のないぼんやりした風景、ノイズが飛び交う風景…
自閉症スペクトラム障害のある方へのインタビュー調査を通して開発されたシミュレータは、
自閉症当事者の方々が、世界の刺激をどのように受け取り、
周囲の風景や人々の表情がどう見えているかを、擬似的に再現できる装置です。
・ご家族やご友人に自閉症スペクトラムのある方がおられる方
・自閉症スペクトラムのある人がどのように世界を見ているのか知りたい方
・ご自分に自閉症スペクトラムがあり、ご自分の感覚と比べてみたい方
など、ご興味のある方は以下のフォームからぜひお申込みください。
https://goo.gl/jihrmF
発達ナビ: 10/15(土)「自閉症知覚シミュレータ」体験会申込フォーム
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