「代替待てぬ」海兵隊、
普天間滑走路を改修へ
基地移設
沖縄県に駐留する米海兵隊は28日、
宜野湾市の普天間飛行場の滑走路改修工事を
来年1月10日から始めると発表した。
期間は約3か月間で、空中給油機など、ヘリコ
プターを除く航空機を一時的に米空軍嘉手納基地
(沖縄県嘉手納町など)に移す。米政府はすでに、
普天間移設実現が遅れる場合、先送りしてきた改
修工事を実施する、と日本政府に通告してきてお
り、それが具体化した形だ。沖縄県内では28日
、普天間飛行場の固定化に対する警戒感が広がった。
海兵隊報道部は28日、読売新聞の取材に対し、
工事は定期的な保守整備の一環だとしながらも、
「(2014年の)普天間返還を見越して工事を
先送りしてきたが、代替施設の建設が予期された
よりずっと長くかかり、これ以上待てなくなった
」と説明した。
普天間移設をめぐっては、鳩山首相が現行計画
に基づく名護市辺野古以外の新たな移設先を選ぶ
意向を表明し、米政府は強く反発している。滑走
路の定期改修は05年にも行われたが、この時期
の実施について、日本政府内では「普天間の固定
化を示唆する動きではないか」と見る向きもある。
宜野湾市の伊波洋一市長は28日、「普天間の
固定化に結びつけられるのは困る」と懸念を示した。
◆「移転候補地案、来月中に」検討委が初会合◆
政府・与党は28日、沖縄の米軍普天間飛行場の
新たな移設先を検討する「沖縄基地問題検討委員
」の初会合を首相官邸で開き、来年1月中に移設
候補地の案を持ち寄って検討を本格化させることで
一致した。5月をメドに結論を目指す方針も確認した
。しかし、現行案の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部
以外の移設先を探すのは困難だとの見方がなお強く、
調整は難航が予想される。
委員会は平野官房長官が主宰し政府側は武正公一外務
副大臣と榛葉賀津也防衛副大臣、与党側は社民党の
阿部知子政審会長と国民新党の下地幹郎政調会
長らが出席。今後、1週間から10日間に1回程度の
ペースで開き必要に応じ有識者らを加えることも確認
した。
これに関連し、民主党の小沢幹事長は28日、国会内
で新党大地の鈴木宗男衆院議員との会談で、「首相官邸
の判断を待つが、沖縄の声はちゃんと聞かないとダメだ。
あの美しい海に基地を造ることはやめた方がいい」と述べた。
(2009年12月29日03時07分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091229-OYT1T00018.htm