http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170305/mcb1703050929002-n1.htm
【金正男氏殺害】北朝鮮、“貴重な工作拠点”失う可能性も 駐マレーシア大使追放
2017.3.5 09:29
マレーシア政府が北朝鮮の姜哲駐マレーシア大使の国外追放に踏み切ったことにより、両国関係の悪化は決定的となった。北朝鮮にとって“貴重な工作拠点”が失われることも避けられない情勢となってきた。
韓国政府によれば、北朝鮮は約160カ国と国交を持っている。うちマレーシアは、北朝鮮にビザ(査証)なしの入国を認めている数少ない国だった。
北朝鮮に友好的だったマレーシアが、大使の国外追放で対北強硬姿勢を強めている。隣国のシンガポールが昨年、北朝鮮に対しビザなし入国の取り消しに踏み切った。マレーシアも6日に同様の措置をとる。
マレーシアは北朝鮮にとって、国際社会からの制裁の隠れみのとして利用できる場所であり、工作員を暗躍させるにはもってこいの国だった。マレーシア政府は4日発表の声明で「自国が(北朝鮮の)違法な活動に利用されてきたとの懸念」を明らかにした。
東南アジアではインドネシアやカンボジア、ベトナムなどが伝統的に北朝鮮と良好な関係を続けている。金正男氏殺害事件に対するマレーシア政府の対応は、北朝鮮と良好な関係にあった他の東南アジア諸国にも影響を及ぼしそうだ。
北朝鮮は友好国を対外工作の拠点どころか、工作への協力者づくりに利用してきた。
今後も含め、マレーシアの対応は北朝鮮の非合法活動阻止に向けた好例となるかもしれない。(ソウル 名村隆寛)
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