(左)2月20日付南方都市報の1面。赤で囲った部分が「中国メディアの魂の死」と読める。(画像は博聞社サイトより)
(右)2月20日付南方都市報電子版の1面。現在は、写真が変更されている。(画像は南方都市報電子版より)
http://www.sankei.com/world/news/160330/wor1603300049-n1.html 2016.3.30 22:58
中国の“モノ言う新聞”編集者が抗議の辞職「共産党の代弁できぬ」 香港紙報道
【上海=河崎真澄】中国広東省をベースに調査報道を手がけるなど「モノを言う新聞」として知られる南方都市報の編集者が、習近平指導部によるメディア統制の強化に抗議して新たに辞職したと、香港紙、東方日報などが30日報じた。
習氏は2月、北京で中国国営中央テレビなど3大メディアを視察した際に「全てのメディアの姓(ファミリーネーム)は中国共産党であるべきだ」などと強調し、共産党の宣伝工作に絶対服従するよう指示していた。これに対し、南方都市報の編集者は、「あなたたちの姓など名乗れない」と書いた自身の辞職届を撮影してネット上に掲載。共産党の代弁はできぬ、と習指導部に対して抗議した。
同紙では、3大メディア視察時の習氏の指示、「中国共産党を代弁する」について報じた際、その見出しのすぐ下に、改革派の地元企業トップが葬儀の後で海に散骨されたとの記事を掲載。「(改革の)魂が海に帰る」とする見出しを上下に並べたことが、習氏に対する皮肉だと判断され、複数の編集幹部が処分を受けた経緯がある。新たに辞職した編集者は、そうした当局側の締め付けにも反発したものとみられている。
香港からの報道が入りやすい隣接地の広東省では共産党の一方的な指示への反発が強く、報道の自由を求める声が高まっている。