米中空母が南シナ海で対峙か トランプ氏就任の20日前後
産経新聞 1/5(木) 7:55配信http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170105-00000038-san-cn
【北京=西見由章】南シナ海で中国海軍の空母「遼寧」が訓練を実施する中、米海軍は原子力空母カール・ビンソンを中心に編成された空母打撃群を西太平洋に派遣する。活発な動きをみせる中国軍への牽制(けんせい)とみられ、トランプ次期米大統領が就任する20日前後に南シナ海周辺で米中の空母が対峙(たいじ)し、緊張が高まる可能性も出てきた。
遼寧は昨年12月25日に初めて「第1列島線」(九州-沖縄-台湾-フィリピン)の宮古海峡を越えて西太平洋に進出した。その後、バシー海峡を通過し海南島の海軍基地に到着。1日からは南シナ海で艦載機の殲(せん)(J)15戦闘機の発着艦訓練などを行っている。
山東省青島を母港とする遼寧だが、中国が戦略的に重視する南シナ海で当面訓練を継続するとの見方がある。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は4日付で、遼寧の艦隊が今後、「航行の自由」作戦を実施する米軍に見立てて南シナ海島嶼(とうしょ)に駐在する部隊との「対抗演習」を展開したり、核ミサイル搭載の潜水艦の護衛任務についたりするとの軍事専門家の予測を紹介した。
中国国内では、空母の行動範囲を小笠原諸島やグアムを結ぶ「第2列島線」を越えて東太平洋まで拡大すべきだとの声まである。
一方、米軍の空母打撃群は5日ごろに西海岸サンディエゴの基地を出航し、同紙はトランプ氏の大統領就任前後に西太平洋に到着すると予測する。軍事専門家は「中国は堅陣を敷いて待ち構えるだろう」とした。
茅原郁生・拓殖大名誉教授は、「(中国の空母は)米空母とは艦載機の数や性能、総合的な運用能力に大きな差があり、まだ立ち向かえる段階ではない。米空母が近づくころ、遼寧はすっと姿を消しているのでは」と分析している。
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