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世界最大ダム崩壊危機 武漢・上海の水没で3億人以上が被災する
2020年7月30日 11時0分 FRIDAYデジタル
長江流域の豪雨で、すでに警戒水位を大幅に超えている
中国・長江の水を堰(せ)き止める世界最大の水力発電施設「三峡ダム」が、豪雨により決壊の危機に瀕している。
現地メディアの報道によれば、警戒水位を大幅に上回っているという。中国の地元紙幹部は本誌にこう語る。
「現在の三峡ダムは、普通のダムが決壊したときと同じレベルの量を放水しています。それでも追いつかず、水位は危険な状態のまま。しかも、毎秒1万7800㎥ずつ水を溜め込んでいる。水には土砂が混じっているので、ダムにかなりの負荷がかかっていると予測されます。近辺では微震が続いていますが、これはダムの地盤に重圧がかかっているからでしょう。まさに悲鳴を上げているんです」
いまインターネット上には’18年に撮影された三峡ダムの堤防が歪(ゆが)んでいる写真(2枚目写真)が拡散し、構造的な不具合や手抜き工事の可能性も指摘されている。さらに6月11日には、中国水利省の次官が、「ブラックスワン(予測不能な事態)が起こるかもしれない」と発言し、大きな波紋を呼んだ。
「かつて著名な学者が三峡ダムの脆弱(ぜいじゃく)性を指摘して22年間の強制労働が課せられたことがあります。それもあって、現在もダムが決壊した場合の被害シミュレーションはタブーなんです。実際、ネットニュースでさえ実名で発言している識者は見当たりませんね」(前出・幹部)
もし三峡ダムが決壊すれば被害は想像を絶する。元住友商事総合研究所・中国専任シニアアナリストで、中央大学政策文化総合研究所客員研究員・中国鑑測家の北村豊氏はこう指摘する。
「他のダムも連鎖的に崩壊し、長江流域に住む3億~6億人が被災することになります。下流にある武漢、南京、上海にまで間違いなく水は流れ込み、都市機能はマヒします。流域のこのエリアは中国のGDPの約半分を占めており、経済的損失は計り知れず、また数十万規模の死者が出る可能性を否定できません。しかも三峡ダムは中国の年間消費電力の1割を発電しています。その点でも被害は甚大です。公開されている情報は少ないですが、『ブラックスワン発言』もあり、いまは楽観できる状況ではないということは、はっきり言えます」
7月半ばになっても中国全土で大雨は降り続いている。Xデーは来るのか――。
PHOTO:Getty Images Imaginechina/時事通信
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