【日本も空母保有の議論を】
2012/10/28 高木 よしあき氏 ブログ転載
http://takagi-yoshiaki.net/3440.html
中国は、同国で初となる固定翼機を運用できる空母「遼寧」を
9月末に就役させました。
現状では、「遼寧」が直ちに日本の現実的な脅威となるような能力を
持ち合わせていないようですが、今後、自衛隊は、対空母、あるいは
対空母機動部隊の戦術を考慮しなければならなくなりました。
日本は、太平洋戦争中、米国に次ぐ規模の空母機動部隊を有して
いましたが、現在は、憲法9条や専守防衛の考え方から外れる恐れが
あるため、国内で空母を持つためのコンセンサスが得られていません。
しかし、自衛隊は、複数のヘリコプターを搭載可能な、
空母にも似た大型の護衛艦「ひゅうが型」を2隻保有しています。
過日、私は、神戸港に寄港した、この「ひゅうが」の内覧会に参加し、
実際に艦内を見学して参りました。
従来から自衛隊は、3機程度のヘリコプターを搭載可能な
護衛艦「はるな型」など4隻を運用していました。
「はるな」は一般的な形状の護衛艦の後ろ半分を飛行甲板としたような艦で、
実際の運用では様々な制約がありました。
そこで、この「はるな型」などの更改に伴い、いわゆる全通式甲板を持った
「ひゅうが型」が建造されました。
自衛隊では、「ひゅうが」をあくまでも、自艦でも対潜攻撃などが
可能な「ヘリコプター搭載護衛艦」と呼んでいますが、国際的に見れば
「軽空母」とも呼べるものです。
ただし、政府は公式には、「ひゅうが」の戦闘機などの固定翼機を
運用する能力について何ら認めていません。
確かに、「ひゅうが」には、固定翼機を発艦させるカタパルトが
ありませんし、ハリアーやF-35Bといった短距離離陸垂直着陸型の航空機を
運用するためには種々の改装が必要なようです。
しかも、そもそも自衛隊は前述のような艦上戦闘機を保有していません。
しかし、自衛隊がこの種の艦を保有しているということは、中国にとって
潜在的な抑止力となっていると思われます。
今後、海上自衛隊には、よりヘリコプターの運用能力に特化した
大型の護衛艦が就役する予定です。
また、航空自衛隊の次期戦闘機としてF-35A(通常の離発着型)を選択
したことも、将来のF-35Bの導入にプラスに働くかもしれません。
近いうちに中国は「遼寧」に続いて、複数の空母を建造し
就役させると言われています。
覇権を露わにする中国の軍事力が拡大する一方で、中長期的に米国が
アジアから後退していくことが読み取れるのであれば、
日本も、憲法改正の議論と合わせて、正規型の空母の保有を議論する
必要があるのではないでしょうか。
転載、させていただいた記事です
http://xavierja7.blog.fc2.com/
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