猫と音楽、ときどき脳腫瘍

病気発症から22年、記憶のモンキーマジック。

#0-5 就職 / 青春狂騒曲

2019-08-05 15:15:45 | 病気のこと

2000年、
アートスクールに通う。
 
デザインを考え作る楽しさを知った僕は、
音楽は趣味と割り切る。

バンド脱退、
本気でデザイナーを志す。
 
もちろん定期的に脳の検査は続けていた。

数ヶ月に一度のMRIと
発作予防のための薬の処方。
 
その後は何事もなく、
無事アートスクールを卒業した僕は
憧れのデザイナーになる。
 
激務の日々、
当時は徹夜なんて当たり前だった。
 
自分の携わった広告や色々なデザインが
世界に拡がることが嬉しく、
どんどん仕事に打ち込む日々だった。
 
丁度その頃、
在籍していたバンドがCDデビュー。
 
素直に喜べない僕が居た。
 
rockinonのインタビュー、
ラジオやフェス出演など当時僕が夢見ていた事を
やっていく友人達が羨ましかった。



#0-4 退院 / MorningGlory

2019-08-04 11:18:35 | 病気のこと

退院後は、
大学を中退した。
 
でもバンドは続けた。
その頃は月に2回程、
下北沢Shelterのステージに
立つのが生きがいだった。
 
 
自分の将来に向き合えたのもその頃からだと思う。
 
絵を描くのが得意だった僕。
 
大学入学時に買ったmacで
自分達のバンドの
カセットテープやTシャツのデザインを始めた。
 
いつしかデザイナーと言う職業に憧れを持つようになった。


#0-3 1998-1回目の手術 / Another Day , Another Night

2019-08-03 11:18:35 | 病気のこと

親からの説得もあり
実家近くの大学病院に入院、
腫瘍の摘出手術を行う。
 
診断としてはグレード2。
 
それでも僕は他人事だった。

病気と向き合うのが怖かっただけだと
今なら分かる。
 
20代前半の頃の時間は
脆くて儚いと思う。

一瞬でも気を抜いてしまえば、
自分はどこかに
取り残されるのではないかと、
不安を抱いていた。
 
だからこそ、
その時間を奪っていきそうな
悪魔の存在をただ隠し、
必死に暗闇から手を伸ばしていた。


#0-2 病気の告知 / My Life

2019-08-02 04:48:00 | 病気のこと

1998年の真冬の土曜日、
アパートで強烈な目眩に覆われる。

ジュディマリの散歩道が
TVから流れていた事が、
気を失う瞬間の記憶として残っている。

目覚めた後は全く普通であった。
きっと疲れやタバコの吸い過ぎ位に考えた。

数日後、道端で突然倒れ
そのまま病院へ緊急搬送。

頭を強く打った衝撃による
硬膜外血腫で緊急手術。

無事一命は取り留める。

目覚めた時に見た友人、
両親の顔は未だに鮮明に覚えている。

約1ケ月の入院、
退院日に医師から告げられた病名は
脳腫瘍。

若く知識の無かった僕には
この病気の重さなど理解出来ず、
隣で聞いていた母の涙を
見て見ぬふりをした。

涙じゃ何も片付かないし、
焦らずに大きな答えを待った。

#0-1 病気前夜 / 昨日と今日

2019-08-01 07:32:00 | 病気のこと

1996年、
横浜の郊外にある大学に通う僕。

軽音楽部に所属し、
仲間と組んだバンドで横浜、
下北沢を中心にライブ活動を行う。

BritishRockに傾倒し、
ノエルのギターフレーズを
グレアムのスタイルを
アベフトシの狂気を真似ていた。

SpiralLife、ThurstonMooreを愛し、
jazzmasterを持った僕は最強だと思っていた。