青に恋

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『先に生まれただけの僕』第2話視聴率

2017-10-23 20:02:57 | ドラマ、映画、読書感想
第2話視聴率 7.5%

うーん。予想以上に下がってしまった。上がると思われる要素は少なかったが

もう少し上で留まると思っていた。ネットでは櫻井翔の演技を酷評する声が

あったが、内容的には、借り入れた多額の奨学金の返還に窮する人が増えている

という社会問題に切り込み、一定の評価しているレヴューもなくはなかった

からだ。しかしながら、前回の感想の時にも触れたが、主役の櫻井翔が完璧

過ぎるのと、「校長先生」というより社会問題を報道するための取材に訪れた

「キャスター」という風に見えてしまう。演技にしても、「自然体」ともいえ

るが肩の力が抜けすぎていてそもそも演技しているように見えず、「ZEROの櫻井翔」が

教育現場に来ているように感じてしまう。「当て書き」が寧ろ仇になっている

感さえある。さらに、なまじ脇に配している役者さんが演技上手な方が多い

ので、そこにはちゃんと学校のドラマが成り立っているのに、主演の櫻井翔だ

けが演技ができていない。というと「櫻井翔の演技力がない」という批判に聞こえ

るかも知れないが、感覚的にはそういうことではない。多分演技をする必要の

ないほど自然な役だということだ。それに対して役者さんたちは演技をしている。

そこに妙なギャップが生まれて噛み合っていない。例えば2話で木下ほうか演じる

教師が収入のために副業をしてリストラされるという件があるのだが、演技の温度

差が明らかにあって、確実に物語の見せ場の一つであるはずなのに、引っ掛かり

もなく、じゃあなんでこんなエピソードをわざわざ入れたの?しかも木下ほうか

という役者さんが勿体ない、と思わせる展開だった。あれなら別に木下ほうかを

キャスティングする必要がなかった。荒川良々にしても同じだ。女性教諭の腰巾着

になっている教師の嫌らしさを出したいのだろうが、中途半端な設定なので彼の

キャスティングが活きてこない。もっと駆け出しの新人でも起用すれば良い。要は

櫻井翔を際立たせるための脚本に思え、せっかく芸達者な役者を多くキャスティング

していながら活かせていない気がする。それならいっそ『弱くても勝てます』の

時のようにこれから売り出すような若手の役者を出した方が、もっと新鮮なドラマに

なったかも知れない。尤も『弱くても勝てます』にも荒川良々は出演していたが。

私が唯一ほっとしながら見ていられるのは蒼井優が演じる教師だけである。彼女の

演技はとても自然だがドラマの中での役割が明確で気持ちがいい。そういう点で

いうと、蒼井優の演じる教師がいて、彼女は反発しながらも校長の味方といって

よい立場の人間である。また井川遥演じる養護教諭もまた校長の味方だといえなく

もない。実際にあんなに艶っぽい養護教諭がいたら教師も男子生徒も大盛り上がり

に違いないが(笑)だから私には多部未華子演じる鳴海涼介の恋人や涼介の元職場の

同僚との三角関係っぽいやりとりは物語展開の上で全く蛇足のように見える。

「結婚を申し込もうと思ったがそれどころではないからもう少し待っていて欲しい。」

と鳴海は聡子に申し出るが、「そりゃそうだ。」と思う。またそういう台詞を

わざわざストーリー上で語らせる必要があったのだろうか、それすら疑問で

ある。鳴海の現在の上司で鳴海の評価を失墜させたい専務・加賀谷の存在は

必要だろう。鳴海が校長になった理由も彼にあり、加賀谷が鳴海の敵である

という構図だからだ。加賀谷に扮しているのは最近、この手の小悪人を演じ

させたら右に出るものはない、というほどの怪演・好演をしている高島兄弟の

弟、政伸だ。『黒川の手帖』の医療系予備校の変態(笑)理事長役も記憶に新しい。

『HOTEL』で元気で真っ直ぐな好青年ホテルマンを演じていたとは、ちょっと

信じがたいくらいだ。もし職場において、窮地に立たされている涼介を慰める人物が

設定上必要だとでもいうなら、大学時代の親友だとか元職場の同期に唯一の

理解者みたいな人を作るとか。行きつけのバーのマスターとか。恋愛要素の

絡まない間柄の人物を配した方が話がスッキリする。変に恋愛が絡んでくると

教育現場で奮闘するサラリーマン校長の主題が大いにブレる。もしそういう

要素を入れたいなら、いっそ会社組織をメインに描くことだ。生徒と校長は

リアルの学校においてもそうそう接点はない。校長とは管理職であり生徒に

接するのはほとんど行事か式典の挨拶のときくらいだ。教育改革というより

学校経営改革に乗り出している彼が直接学校の生徒と関わっている暇など

逆にないだろう。大手商社の不採算部門の教育現場に出向しているサラリーマン

という点をもっと鮮明にするなら、学校のシーンはいっそすべての舞台を

職員室か校長室にするとか。校長が生徒の問題に絡んでいくと物語の重心は

教育の現場に移ってしまう。そうするとサラリーマン校長の経営改革は結局

は教育を改革することで、それは校長が主役ではなく教師が主役である。

しかし、このドラマは校長が主役である・・・というふうに、どんどん、

重心がどこにおかれているの分からなくなっていく。また教師の描き方も

もっと丁寧にして欲しい。最近のドラマにありがちなことだが、色んな食材を

てんこ盛りにし過ぎて一つ一つを丁寧に料理することができず、結局こぼれ

落ちないようラップを被せてまとめてチンして終わり。というような雑なやり方

では見ている方は余り心に残るものがない。実際、もうこのドラマは早々と撮了

しているのだとか。何となく一丁上がりな気がしているのは私だけだろうか。

第2話はとにかく初回よりさらに時間が長く感じた。チャンネルこそかえ

なかったが、ながら見をしてしまった。櫻井翔が校長役と発表があった時

こそ、ぴったりの役処だと喜び期待もしたが。今となっては『家族ゲーム』

の吉本荒野や、少し古いが『ザ・クイズショウ』の神山悟、同じハマり役

として『謎解きはディナーのあとで』の影山などの方が櫻井翔のクールな

一面を際立たせており、当たり役だったといえるだろう。櫻井翔が悪い

のではなくオファーする側が櫻井翔に固定のイメージを持ち過ぎ、却って

彼の振り幅を狭めている気がしてならない。

さて、第3話は何と校長が一数学の教師として教壇に立つ、という全く

あり得ない設定に突入。ドラマとしてはその方が面白いが、リアリティから

はかなり遠退く。一体、校長はどれだけ暇だと思われているのだろう?

さらに教師の仕事が教壇に立っているときだけだと勘違いしていないだろうか?

人に物を教える時のことを少し考えてみたらわかるのではないだろうか。まして

生徒はお客様だ。と鳴海自身がいっている。なんの授業準備もなく、また教えた

後には考査を行ったりして授業内容がどの程度生徒に定着したかを確認する

作業もしなくてはならない。また偏差値44程度の学校なら全員が全員とも

授業内容についていけている生徒ばかりではない。理解の遅い生徒に補習を

行ったりする必要があるのである。学校経営という、まして傾きかけた企業

である私立高校の経営を建て直すことが最優先課題であるというのに、「

鳴海校長はアホでございますか?」と真顔で影山から聞かれても可笑しくない

能天気さである。そういう点が先ずドラマである。それならそれでもう少し

能天気で楽観的で楽しいドラマにしてもいいかも知れない。今のままでは

暗くて息が詰まるような内容なのに、話は堂々巡りで、かといってリアリティ

も薄いドラマとなり、「嵐の櫻井翔は視聴率獲れない」という風評被害に

見舞われ、引いては他の嵐メンバーへのドラマの出演にも影響を及ぼしかねない。

再度いえば、このドラマのシナリオでは櫻井翔は自然体で演技するしかない。

「当て書き」なのだから。演技を要しない演技というわけだ。それで演技が下手だと

いわれても仕方がない。そもそも始まる前からこの手のドラマが不評に終えるの

は想像に固くない。となればプロデューサーの企画力に問題があるのだ。だが

再度、また書くが、もうこのドラマは撮影終了しているのである。もう手直しの

しようがないのだ。この点をいうとさらに視聴率が低下する恐れがある。客が

欲しがらない在庫品をずっと売り続けることになるからだ。最近は視聴率風評被害

のような現象が往々にして起こる。一度ダメだと烙印を押されてしまうと後から

いくら話が盛り上がっていこうと、離れた視聴者を取り戻すのは並大抵では

ない。嵐の人気はまだそれほどの翳りを見せているわけではないが、アルバムの

記事でも書いたように、SMAPなき後、メディアの嵐に対する風当たりは何故か

強くなっているように思う。このドラマの視聴率が急下降したとネットで

騒ぎ立てている。日曜劇場を始めTBSのドラマが好調な一方でフジテレビ

や一部の枠を除いて日本テレビのドラマも苦戦しているように思え、どち

らにも共通点があるように見える。視聴者の趣味や趣向、世の中のトレンドは

常に変化している。固定的で融通の利かないもの作りはそれらを機敏に捉え

対応することができない。作り手は今、自分達が何を作りたいのか、ではなく

この先、どういうものが人々の関心を集めるのか、人が何を欲しいと思うのか。

人のニーズに敏感に、便利グッズの発明家のような柔軟さと人の心を読む

先見性を身に付けていかなくてはいけないのではないだろうか。

だが、「言うは易く行うは難し」である。私も昔、プランナーという仕事を

していたから、それがいかに難しいか分かるつもりだ。だがそれをしない

ことにはヒットは生まれない。ヒットを生み出すためには人の欲しがるもの

が何か、先ず人の気持ちを考えることである。

ドラマの感想が大脱線してしまった。とにかく。今週の第3話は

校長先生が教壇に立って生徒に数学を教えるというストーリーだそうな

ので、ドラマとして見ると面白いかも知れない。また櫻井翔が数学の

先生になるいうのもファンならとても興味の惹かれるシチュエーション

である。あんなに格好いい爽やかな先生が教壇に立っているなら、それだけで

生徒倍増は間違いない。もっとも女子生徒の比率がほとんどになりそうだ(笑)

私の高校時代にも大学院を出たばかりのイケメンの新任教員が赴任してきた。

その先生の周囲にはいつも女子高生が多数、まとわりついて女子生徒同士の

激しいバトルが繰り広げられていた。

またまた話が逸れるが10月7日に公開した『ナラタージュ』で松本潤が主演

している。生徒と不倫関係に陥る優柔不断な教師という役処だが、整っていない

髪、優しそうだが表情の乏しい上にそれを隠すかのような厚い黒ぶち眼鏡という。

全然ぱっとしない風体の教師という設定だが、実際にあんな先生がいたら、絶対、

女子生徒は放っておかないだろう。有村架純一人が悩むにあらず。多数の女子

から熱い視線を贈られ、葉山の周囲はあんな穏やかではいられないはずだ(笑)

話を元に戻そう。『先に生まれただけの僕』第3話の視聴率はいかに。もう少し

持ち直して欲しいものである。









『先に生まれただけの僕』

2017-10-16 22:56:04 | ドラマ、映画、読書感想
初回視聴率10.1%

一桁がざらという昨今のドラマ視聴率からすれば健闘した

ようにも思えるが、国民的アイドル嵐の中でも人気が高い

櫻井翔主演とあっては少し物足りなさを感じるかも知れない。

でも考えようによっては櫻井翔だから二桁に載せた、という

見方もできるように思う。何故なら、社会派の学園モノは

角度は違えど、これまでにも似通った内容の物があり、

さして目新しさは感じないからだ。エリート商社マンが

派閥争いに負け出世コースを外れて校長になるという設定が

そもそも興味を引かないな、と。そういう人が校長になった

場合、教育現場でどういう反応になるかは大体、予想できる。

確かに学校を運営するにはお金が必要だが、学校において

の「利益」や「結果」は直ぐに可視化するものではない。当然

のことながら学校で行われているのは「教育」であり、育てら

れているのは無論『人』なのだから、無機的物質を生産または

販売して得られる場合の対価に相当するものはない。もし、それ

が人の目の前に示されることがあるとすれば、教育された子ども

たちが社会に出たあと、何かしらの偉業を成し遂げ、人々が称賛

を与えたり、明らかにその偉業によって得られた利益が社会に

フィードバックされたような時なのかも知れない。そういう場合

彼らがどこの学校を卒業したか、ということが取り上げられ、「恩師」

というような言葉も使われることがあるからだ。まさに学校で

なされた教育や教師が与えたものが社会の役に立ったというささやか

な証にもなろう。しかしほとんどの場合、教育現場では大きな変化

などはない。日々の授業や行事を通じてなされた教育がどのように

生徒に結び付いていくのか、その成果を知るには長い年月を要する。

偏差値の高い大学や有名な企業に生徒を送り込むことだけが、良い

教育の成果だと考える社会的傾向こそが子どものための真の教育を

阻害しているかもしれない。などと私などは考えてしまうのだが。

放送前から教師を批判的に描き、学校教育に幻滅を感じさせる内容

になるのではないか。とすれば教育関係者は余り見たくないだろう。

教師も人であるから、全てが教師の適格者であるとは思わないが、

現場で生徒としっかり向き合っている教師も大勢いる。しかしドラマ

というものはノンフィクションでもない限り、そういうまともなこと

をいっていては話が盛り上がらないから、極端なダメな教師対熱血校長

という対比を強調してくるのだろうと予測していた。そしてまた、熱血

校長に扮しているのが過去に総理大臣になって欲しい芸能人のNo.1に

輝いた嵐の櫻井翔なのだから熱血校長の一人勝ちで面白くもなんともない。

というわけで、視聴前は正直、視聴率はそれほど上がらないのではないか

と思っていた。二桁割れも十分にあるとも。しかし強力な番宣の効果と、

ありがたいファンのおかげでギリギリ10%を超えた。

さて、実際視聴してみると、予想通り、「さすがにこんなに酷い教師はいないだろう」

というくらいの教師のダメっぷりを描き出したのにはやや食傷気味になったが

経費節減に固執し中学校への「営業」を行い、生徒を顧客として扱えという

教育現場に馴染もうとしない新任サラリーマン校長側の挫折もそこそこ描かれて

おり、予想していたよりはそれほどに内容は酷くなかった。話のテンポも良かった。

それもそのはず。脚本は福田靖。あの社会派の大ヒットドラマ『HERO』を手掛けた

ヒットメーカー作家だ。ドラマ中、多少の眠気を催したが、何とか最後まで

見終えた。特に、最後の場面では校長が生徒に奨学金の返還の現実を教えて、

励ましを贈るつもりが、逆に不安と恐怖心を植えつけ、拒絶される場面では

これまでのドラマにはない興味を惹く展開に「おっ」と思わされ、次週の視聴へ

と気持ちを繋いだ。2話の視聴率は更に厳しくなることも予想されるが、しばらく

は見てみようと思う。さて、火曜のドラマにも所謂学園モノが井上真央主演で

放送される。こちらは未視聴だが、スクールカウンセラーを題材にしており、

昨今の教育現場での事情を踏まえると、なかなかに興味深いテーマである。

演技力がある井上真央が主演だけに期待もある。また仲間由紀恵の怪演にも

注目が集まっている。学園モノ対決。どちらに軍ぱいが上がるだろうか。