That's the Way I Am

私の好きなものについて

電子音に囲まれて

2013年02月19日 19時46分15秒 | diary
以前、ある講演で聞いた話



ネコは人間に育てられても
人間にはならない

牛も、人間に育てられるけど
牛として成長する

しかし、人間は
オオカミや猿などの
動物に育てられた子ども達の例から考えると

オオカミに育てられると
オオカミとして生きる術を身につけ
猿に育てられると
猿のように様に動き
猿の生活様式を身につけてしまう

発見され、人間の世界に連れ戻されて
人間として生きるように
言葉やマナーなど、教育しても

同じ年齢の人間と同じようになることは
難しいということが
分かっている



人間は、オオカミに育てられると
オオカミになり
猿に育てられると猿になってしまう
人間に育てられないと
人間にはならない

だから
機械に育てられると
機械になってしまうのです



その言葉を聞いたとき
ゾーッとしました



でも、あながち全くのデタラメでもないかな?
とも思う



ピアノの先生に聞いたんだけど

ピアノの先生は
電子音というものが好きになれないのだそうです

それは、いつも一定で
強弱の変化もなく、揺らぎも、ミスもなく
正確なんだけど
変化も、面白みも、風味も、個性もない
無機質で
みんな同じ音に感じる音だから



でも
幼い頃から電子音に囲まれて育った世代は
ピアノで演奏された曲よりも
シンセサイザーで人工的に作られた音の方が
好きなのだそうです



やっぱりそれは
幼い頃にどんな音をよく聞いてきたかが
その後の「好み」に影響するのかもなあ
と、思いました



小さい頃慣れ親しんだ味が
大人になっても忘れられないみたいな

私は山口に住んでいた時期より
関東に住んでいる時期の方が長いんだけど
やっぱり西の味の方が
美味しいと感じる



それと同じかな?



幼い頃、電子音ばかり聞いているから
アコースティックな音より
電子音の方が親しみを感じるのかも



アニメの女の子の方には興味あるけど
生身の女の子とは
上手くやっていけない
いや、むしろ興味が無い人が
少なからずいる...というのも



人間の歌手よりも
ボーカロイドの合成された声に
魅力を感じるのも

単にボーカロイドの声が
「わー!斬新!いいね!」
と、新しい物に食いついているんじゃなくて

「あの、無機質感が良い
生命感の感じられない所が良い」
と、電子音だからこそ
そこに魅力を感じているのかも



幼い頃
アコースティックな音よりも
電子音をより多く聞いて

生身の人間と過ごす時間以上に
バーチャルなアニメやゲームのキャラクターと
共に過ごし、感情移入し、共に成長してきたら

大人になって
生身の人間よりもむしろ
実在しない無機質なキャラクターに
親しみを感じてしまうのかも知れない



「機械に育てられると機械になる」
というのは
詭弁ではないかも



出生率も減ってきているし
人間の数がどんどん減って
お掃除ロボットや介護ロボットだけが
残っていったりして

星新一のショート・ショートのようだ

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