1992年のクリント・ イーストウッド監督・主演の映画。
このビデオの購入は、10年近く前ですかね。(確かな年月は、忘れました・・・汗。)
映画のストーリーは、あまり印象にないのですが(笑) 全編、スタール・ダブルアクション・リボルバーと7連発のスペンサーカービンのオンパレードだったと思います。
画像のビデオジャケットにあるように背中を見せ、後ろに手を組んだウィリアム・マニー(クリント・イーストウッド)の右手には、見慣れないパーカッション・リボルバーが握られています。
それが↓の画像のスタール・ダブルアクション・リボルバーですね。
伝統的な西部劇の主人公は、ピースメーカーと呼ばれたコルト・シングルアクション・アーミーとウインチェスターM73もしくはM66 (昔のハリウッド映画はM92もしくはM94)を使うのが定番でしたが、イーストウッド監督は、時代考証に忠実にアンティークな銃器をあれこれ用いて見せてくれます。
彼は、この映画の主人公にジェシー・ジェームズが愛用していたと言われるこのリボルバーを持たせました。
おそらく西部劇の主人公の銃として登場するのは映画史上初めての事ではないかと思われます。
この銃は、1856年頃 ニューヨークに設立されたスタール・アームズカンパニーの製品 ( 超マイナーですな~ )。
.44口径の物と.38口径の物があり、映画ではダブルアクション・モデルが使われましたが、シングルアクション・モデルも存在します。
一見ソリッド・フレームに見えますが、シリンダー後方のサム・スクリューを外すと銃身とシリンダーが前方にテイク・ダウン(中折)し、シリンダーを素早く交換する事が出来ます。
(ソリッド・フレームのレミントン・ニューアーミーと同じ様な機能ですね。)
次は、スペンサーカービン↓です。
1861年から始まった南北戦争はマズルローダー(前装式)ライフルが衰退し、ブリーチローダー(後装式)ライフルや金属製のカートリッジ(薬莢)の発展、開発を促進させるきっかけとなりました。
1863年に開発されたスペンサーカービンはカートリッジタイプの弾丸を使用し、トリガーガードを兼ねたレバーを操作する事で薬莢の排出と次弾の薬室への装填を行うもので(ハンマーのコックはされません)、弾丸は銃床内部に装填されたチューブ型弾倉に7発が収納されていました。
この映画でもチューブ型弾倉の銃床への装填シーンが再現されていたのを記憶しています。
当時、連発式のライフルは粗悪な弾薬や複雑な構造、装弾不良などにより軍から敬遠されがちでしたが、このスペンサーカービンは、不発などの撃発系トラブルは圧倒的に少なかったようです。
集弾性能も同時代に使用されていたマズルローダー(前装式)ライフルよりも50%以上優れていたと言われています。
幕末の日本でも相当数のこの銃が使用されており、当時の遺物を残す国内の資料館等でも見ることが出来ます。
・・・と言う事で映画’許されざる者’の話では無く、スタール・ダブルアクション・リボルバーとスペンサーカービンの話でした・・・。
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