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【ともしびをかかげて :ローズマリ・サトクリフ著】過去帳より再掲(origin2007-12-24)

2020年10月18日 09時56分54秒 | 書評

★ 【ともしびをかかげて :ローズマリ・サトクリフ著】

 図書館に岩波少年文庫新刊「銀の枝」が置いてあり、何気なくローマン・ブリテンに関する物語なのだなぁ~と思って、貸出を受けることもせずに其のまま立ち去ったのですが、気になり借りようとしたら、既に誰かに貸し出されてしまった後でした。それで作者のことを調べるとブリテン3部作『 第九軍団のワシ』『銀の枝』『ともしびをかかげて』が連作となっていることが判り、「 第九軍団のワシ」から読むことにしました。読み始めて、淡々とした文章なのにグイグイと引き寄せられてしまい、2週間でこれらの3部作を一気に読み通して仕舞いました。

 これらの3部作はローマ統治時代のブリテン島を舞台とした作品で、特に「ともしびをかかげて」はローマ軍がブリテンからの撤退する時期(AD500年頃)に辺り、主人公ローマ軍人アクイラが「ブリテン人」でもあったことに気づき、苦悩末、軍を脱走してブリテンに残ります。その後苦難に満ちた人生を送るのですが、ローマ軍に由来するブリテンの村族を束ねた軍団に入り、海から押し寄せるサクソン人達との戦いを経て、一時ではあるのでしょうが、ブリテンの平和を勝ち取るというストーリです。簡単に書きすぎていると思うほど、人生のひだの部分を割愛しています。決してハッピィ・エンドと思われない重々しいストーリですが、読み応えはあります。

コメント (2)
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