スーさんの樹木医日記

日々の樹木医活動の日記です。日本樹木医会千葉県支部所属で、活動エリアは主に千葉県。

シマトネリコの天敵?

2018-09-15 06:33:45 | 日記
シマトネリコは東京や千葉では比較的新参者の樹木です。しかし、個人庭はもとより、公園・街路樹・公共施設などなど植栽されている場所はとても多い樹木ですね。今のところ、目立った病害虫もないようです。
近年、シマトネリコにガブトムシがたくさん集まるとの話は聞いていましたが、観察する機会はありませんでした。今夏、知人より船橋市の公園で情報を頂いたので観察してきました。

オスがシマトネリコの樹皮を削って樹液を吸っているようです。

園内には十数本のシマトネリコが植栽されていますが、そのほとんどに多くのカブトムシが!

正に鈴なり!!

カブトムシの固い口で削りながら前に進んでいるようです。

アップで・・・ クヌギの樹液のような甘酸っぱい香は一切しない。

数年前?の被害後。樹木としての商品価値は著しく落ちますね。周囲にカブトムシが発生するような場所に植栽されると、このような被害?が起きるようです。
東京ではないでしょうね。また、クワガタ類では樹皮を削れませんね。興味深く観察しました。

シイノコキクイムシ

2018-09-13 05:07:30 | 日記
この虫を知ったのは数年前です。枝先数十センチ部分が枯れている木を見て初めは原因がわかりませんでした。
クヌギです。

モミジバフウ

高い枝に発生しているのものは観察がしずらかった。激しい被害を受けているハナミズキを見つけて、原因がわかった。

被害枝の枝に1mm程度の穴。

原因が判明した。キクイムシの一種でした。スズカケの枝から当該昆虫を採集しました。被害枝。

折ると・・・

小さいムシが・・・


幼虫もいました.

養菌性キクイムシの一種でシイノコキクイムシ。大きさは1.5~2㎜と極小です。
熱帯~亜熱帯に生息というから、温暖化の影響を受け被害を目にするようになったのかもしれません。
私が確認した被害木は上記のほか、サクラ類、ヤマボウシ、アカメガシワと極めて多い。




ヒトツバタゴ樹勢調査

2016-05-11 06:38:36 | 日記

8日に青葉の森公園でヒトツバタゴの樹勢調査をしました。NPOの研修会でした。
写真は今年の開花状況です。4月27日に撮影。花数が少ない。

これが一昨年の同時期のもの。
ここ数年、ヒトツバダゴをNPOで経過観察していて、土壌が固いことは確認されている。若干のエアレーションや酸素管の敷設など行なっているのだが・・・ 昨年は花芽が寒の戻りでやられたと推定した。今年は・・・

4月の中旬に見た時に、下の方の葉が展開し始めていて・・・いやな予感はしていたのだが、原因は不明だ。

会員があつまり、開花後の状況を調査

2人で1本の樹を調査

結果は若干だが昨年より樹勢は良くない方向へ。土壌の問題が大きいと考えられるので、その対策を提案することになりそうです。

正体不明のケムシ?

2015-12-13 05:33:29 | 日記
先日、正体不明のケムシが持ち込まれた(汗・・・)

庭の芝生に大量発生したとのこと。既に農薬で処分したのだが、虫の名前が知りたいとのことでした。上記の写真はわかりやすいと思いますが持ち込まれたときは、少し湿った感じのムシがペットボトルに10匹以上入れられて(死んでいる)とてもキモイ・・・
毛が生えているのはわかりましたが、通常芝生に発生するムシにはいなそうな感じ・・・タケノホソクロバの幼虫かとも思いましたが、湿っているとはいえ色が無い・・・ 後日、調べお知らせすることとしました。 で、調べてわかりましたケバエ(種は?)の幼虫でした!初見。確かに、毛は生えているがウジです。脚がない!生きていればその動きから、ヒントになりその場でわかったかもしれません。
時に大発生、落葉などを食べるらしいです。ネットで検索すると、直視できない画像が・・・ 

マツ類芽状てんぐ巣病

2015-12-07 22:26:16 | 日記

先日持ち込まれたクロマツの枝先・・・見たことなかったけど、てんぐ巣病的。
調べてみると、樹木医会HPの樹病図鑑にマツ類芽状てんぐ巣(多芽)病として掲載されていました。
病原菌:不詳 防除方法は「気がつけば切り取り焼却」とあったので、持ち込み者にはその旨伝えました。

サクラのてんぐ巣病は子のう菌類によるが、マツは・・・樹病図鑑では不詳となっていましたが、調べるとこれはクロマツメテングスフシという、フシダニ類による虫えい(虫こぶ)であることを知りました。