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110511【番外編】文吉の闘傷生活015

2011-05-15 | その他
人はだれも、たくさんの人の支えが合って生かされているものです。また、自身もたくさんの支えの一人なのです。

入院生活が続くとそのように感じることに良く出会います。
ここに留まっていることもまた、誰かに支えられて、誰かを支えていると言うことなのでしょうか。

いきなり、哲学的な宗教臭い話になりましたが、何のことはない。「人は一人では生きられない」と言うことなんですね。

2011年05月11日(水)雨

05:20
起床しました。窓側のベッドなので、今日は天気が良くないのは分かります。
どのくらいの天気かみたくて、まだ硬い身体を必死に揉み解すためにベッドの上で10分ほどストレッチします。
文吉はもともと寝相が良くて、朝起きたら身体のあちこちがコチコチになる体質です。
おまけに足の骨が折れてるんですから、寝返りひとつ打つことなく、寝たときのまんまの姿勢で目を覚まします。

やっとベッドから起きられるようになったら、松葉杖を取り寄せて支えにしながら窓枠に片手をのばします。
ああ、雨ですね。自分の目で確かめるまでこんなに時間がかかるものです。
これが今の文吉の有様ですね。

06:40
看護士さんがやって来て、体温、血圧の測定をします。今日は上が131、下が88です。
もうまったくの平常値ですよね。

07:25
今日の朝食はずいぶん遅いですね。もう、腹ペコです。



完食しました。



08:00
食べたと思ったら息つく間もなく、先生が回診に廻ってきました。
これはやけに早すぎです。

昨日のレントゲンの結果は順調でした。
明日、サポーターが届きます。それを着けたら体重の3分の1を左足にかけられるように練習します。
それができるようになったら、退院の目処になります。
ああ、やっと先生から退院までのスケジュールが示されました。

10:00
リハビリの時間です。
文吉にとって、ひとつの目標ができたので、リハビリにも張りが生まれます。

先生はいつものように入念なマッサージがすんだら、どのくらい足が動かせるようになったかを見るために、ゲームみたいなものを用意していました。

まず、ベッドの端に腰掛けて、両足が床に楽に着くようにします。
つづいて床にタオルを広げます。タオルの右半分
の上にビー球を10個ちりばめます。
これを、「左足の指で一つ一つつまんでは左半分に移動する」というゲームです。蹴ったり、転がしたりしてはいけません。
最初の2~3個は要領がつかめず、足の指もちぐはぐな動きをしています。
そのうち、なんとなく掴めてくるようになります。10個終了まで2分ほどかかりました。

今度は、健康な右足でおなじことをやってみます。わずか35秒しかかかりませんでした。
しかも、右足ではほとんど何も考えずに、無意識でサッサカサーっとできます。
こんなに違うんですね。

最後にもう一度左足でやって見ます。おお、早い早い。
1分かからずにできました。
こんな文吉でも少しは学習能力があるんですね。

11:50
昼食です。今日はうどんですか。うん、かなり伸びていますね。



それでも完食です。



食後に談話室に行くと、前の部屋で同室だったTNKさんがいました。
お喋りしていたら、TNKさんの奥さんがやって来て、輪の中に入ります。
本当に仲の良いご夫婦です。

13:40
本日二回目のリハビリが14:00からなので、ベッドに戻って控えていました。
そこへ、得体の知れないおじさんがカーテン越しに顔をだしています。

目が合うと、すっと引っ込んで反対側のベッドの人に「○○さんですか(文吉の本名)」と聞いています。
「私です」と文吉が応えると、またカーテンを開けて入ってきました。
ニコやかなお顔をみて、文吉も思い出しました。「ヒロPONさん!!」
いやあ、懐かしいですね。二年ぶりくらいでしょうか。
隣には奥様もご一緒しておりました。このご夫婦も本当に仲良しです。

せっかくお見舞いに来ていただいたのに、おもてなしもできないままリハビリがスタートしました。
ヒロPONさんご夫妻は廊下で見学しています。
今日は雨のため、外歩きができないので、マッサージだけのメニューです。
と言うことは、ハジメチョロチョロ、ナカパッパです。
だんだん、先生の指先に力が入っていって、文吉の丹精な顔が般若のようになる一歩手前、緩めるの繰り返しです。
あんまり、人に見せたくない顔ですね。

リハビリが終了して廊下の待合ソファのところへ行くと、ヒロPONさんご夫妻が待っていてくれました。
ありがたいことにペットボトルのお茶まで、用意してくれていました。
息子さんがこの病院の薬局にお勤めなので、先ほど会って来られたそうです。
「母の日のプレゼントを取りに来たんです」という奥様の笑顔が、全てを物語っています。
お子さんが立派に働いている姿を見ることができたのが何よりのプレゼントではないでしょうか。


【奥様撮影】


ご夫妻が帰られてから、いったんベッドに戻り、少し横になりました。ちょっと疲れたようです。
30分ほど仮眠したら、オシッコをしたくなってきたので、車椅子でトイレに行き、談話室で漫画本を読みます。
ここにある本や雑誌はどれも古いものばかりで、文吉の趣味、嗜好とは程遠いところにありますが、何も無いよりはましです。
ミステリー好きな文吉がのめりこむような物は、あいにくありません。
仕方ないので、シブシブ一冊の漫画本を取り出します。
「名探偵コナン」の幼稚なトリックを読むことにしましょう。

17:30
あまりにツマラナイトリックを、必死に読んでいたみたいで、後ろから声かけられるまで気づきませんでした。
会社の課長と副本部長が見舞いに来てくれました。
もちろん、事前に連絡があって知っていたんですが、あまりにトリックが単純すぎて忘れていました。

課長も副本部長も雨の中、ありがとうございます。仕事の上で、本当にご迷惑おかけしております。
「仕事は気にしないで、静養に勤めてください」とのありがたいお言葉でございます。
そこへ妻もやってきたので、あらためてご挨拶です。

お二人を見送って、部屋に戻ります。

18:15
いつものように夕食を食べます。



はい、完食です。



食事の片付けをすると妻は帰って行きます。

19:30
昨日は準備不足で浴びることができなかったシャワーを使うことにします。
看護士さんに左足の包帯の上にビニール袋を被せて、テープできちんと密閉してもらいます。
これで、水濡れの心配はありません。

バスタオルを借りてシャワールームに行きます。
シャワールームの服を脱ぐところまでは車椅子で入れます。

スッポンポンになって、壁に取り付けた手すりを頼りにシャワーのあるところまで行きます。
三角コーナーにとりつけた簡易椅子に腰掛けると、シャワーヘッドを文吉が座ったまま届くところに位置決めして、栓をひねります。
始めは生ぬるかったお湯が適温になってくるにつれて、身体に当てていきます。
ああああああああ、気持ちいいです。

実に15日振りのシャワーです。
本当は湯船に入りたいけど、欲を言ってはいけませんね。
頭も自分でシャンプーして本当にさっぱりしました。

身体を拭いてパジャマに着替えようと思いますが、なんとビニール袋で密閉したはずのところから水が漏れていて、包帯がビショビショです。意味無いじゃん。

せっかくですけど、ビニールを破り捨ててて、そのままスタッフルームに行きました。
当直の看護士さんに「包帯を取り替えて欲しいんですけど」
「ハイ、ベッドへ行って待っていてください。」

ベッドへ行って待つこと10分、11分、12分・・・
15分たったところで、ナースコールボタンを押しました。
看護士さんたちもお忙しいのは分かるんですけど、濡れた包帯が冷えてこのままでは風邪引いちゃいますよ。
ややあって、男の看護士さんがおっとりとやってきました。

包帯をはずしてから、「抜糸は済んでいますね。」「ハイ」「なんで包帯してるんだろう」
そんなこと、私に言われてもこまります。

これで、気持ちよく眠れます。
おやすみなさい。・・・

グガー、グイエー、グボー・・・対面の患者がものすごい音でいびきをかき始めました。
このままじゃ気になって眠れません。
と思うでしょ。

このために、妻に頼んで百円ショップで買ってきてもらった秘密兵器があります。
それが耳栓です。

これを装着すると、驚くほど音が静かになります。微妙にまだ聞こえますが、先ほどとは雲泥の差です。
今度こそ本当におやすみなさい。



・・・つづく


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9 コメント

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”いつか自分も” (もっちゃん)
2011-05-15 14:43:51
文吉君
「闘傷生活」も”015”までくると、元々、病院関係の「ブログ」じゃないのと、思ってしまうほど事件や変化もあって、内容がてんこ盛りに成ってきますね。
ゴメンナサイ。不謹慎にも”このまま暫く続いても面白いかも”なんて、考えてしまいました。

さて、冒頭「人は一人では生きられない」と言うことですが、全くもって、そのとおりです。
最近、特に、其れを感じます。

最高最強の奥様を持つ「文吉君夫妻」を筆頭に、slow lifeさん やヒロPONさん、登場するご夫婦が、皆さん仲が良い方だちばかりなので
普段、あまり思わないのですが、少し羨ましく思ってしまい、”いつか自分も”と考えてしまいます。(現実はそう、うまくいきませんが。)

それにしても、久しぶりのシャワー、気持ち良さそうだねえ。
「湯船」に浸かれのも、きっと近いでね。



返信する
人は人によって支えられる (文吉)
2011-05-15 15:17:43
もっちゃん
このブログは今は入院生活を毎日記録していますが、退院しても闘傷生活は続きます。
いつまでか、それはちょっと分かりません。
たぶんもとのようにバイクでツーリングできるようになるまでだと思います。

今回、文吉が一人では生きていけないと書いたのは何も良き伴侶のことだけではありません。

実際、文吉にはもっちゃんがどれだけ支えになっていることか。

まだまだ、人に支えてもらうことの方が大きき実だけど、君だって、ちゃんと人の役に立っていることもたまにはあるんだよ。
返信する
まちがい (文吉)
2011-05-15 15:20:21
↑で「大きき実だけど」とありますが、「大きい君だけど」の間違いです。

訂正いたします。
返信する
もうそろそろ (イサカ)
2011-05-15 19:13:54
文吉さん、長い入院生活になってますが、そろそろ退院の目処が付いてきたみたいですね。

文吉さんの入院している病院は(たぶん)、以前(救急)指を切った時にお世話になったところです。

対応してくれた先生は当然ながら針で縫うと言ったんですが、抜糸の為にまた病院に来たくなかったので接着剤が絆創膏にしてくれと頼みこみました。
針は使わなかったのですが傷口が開く可能性が高いとのことで、気を使いました。

この気候の良い時期、バイクに乗れないのは残念です。
早く元気になってバイクに復帰できると良いですね。
返信する
こまった患者ですね。 (文吉)
2011-05-15 19:47:27
イサカさん
コメントありがとうございました。
それで、切れた指はうまくツナだったのでしょうか。
抜糸が嫌だからと言って、縫うのを拒否るというのは困った患者さんですね。
先生もさぞかし悩んだんじゃないですか。

文吉も20年ほど前に指を切ったときは、先生が虫眼鏡のついた帽子みたいなの被って、縫ってくれました。

おかげで、今はなんとも無いですが、その時の縫い目は少し残っています。

返信する
面会に来てくれると嬉しいね (おぶちゃん)
2011-05-15 20:52:02
入院生活で面会の人が来てくれるのは
嬉しいことですね

ヒロponさんご夫婦も優しいですもんね。
いつも素敵なご夫婦です。

ヒロponさん久しぶりで懐かしいです。
いいなぁ文吉さん♪

ひとつ気になっていることが・・・あはっ

ご飯つぶ・・・残っていますよ
最近 娘にいわれました。
「ご飯つぶ残っているよ」
ごめんなさいでした。

ご飯つぶまで食べましょう


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ご飯粒までたべます (文吉)
2011-05-16 05:21:54
おぶちゃん
コメントありがとうございます。
そうですよね。
完食といいながら、ご飯粒残していてはいけませんよね。
お百姓さんゴメンナサイ。
これからは一粒残さず食べます。
返信する
おそくなりました (ヒロpon)
2011-05-16 15:49:01
元気そうでよかったですね
しばらく不自由な生活ですが続きますね

早くシャドーに乗れるように
返信する
ありがとうございます。 (文吉)
2011-05-16 18:54:10
ヒロponさん
先日はありがとうございました。
おかげさまで17日に退院となりました。
しばらくはリハビリのために通院しますが、やっぱり我が家の方が良いですから。

バイクは夏ごろに復活したいので、リハビリも頑張っていきます。

奥様にもよろしくお伝えください。


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