Local-Liner ~静サツ雑記帳

静岡運転所札幌派出所=静サツへようこそ。
札幌圏の鉄道を軸に、気ままに書き連ねていく日記です。

吹奏楽アレンジ コメットルシファー/fhána(コメットルシファーOP)

2015年12月19日 | 吹奏楽編曲
 雪が降り積もり、いよいよ本格的に札幌も冬になってきました。
 そんなわけで(?)、遅まきながら新作の発表です。





ニコニコ動画



Youtube

※同一動画です。どちらも本人による投稿です。


 この冬2回目のアレンジは、「コメットルシファー」より、OPの「コメットルシファー ~The seed and the sower~」(fhána)です。
 fhánaは前々作の「Divine Intervention」以来の製作になります。また今回もいろいろやってくれまして……

 まずは編成の紹介から。

[編成]
・Piccolo(前半部はFlute 1st.)
・Flute(1st./2nd.)
・Oboe
・Bassoon
・E♭Clarinet
・B♭Clarinet(1st./2nd./3rd.)
・Bass Clarinet
・Soprano Saxophone
・Alt Saxophone
・Tenor Saxophone
・Baritone Saxophone

・Trumpet(1st./2nd./3rd.)
・Horn(1st.&2nd./3rd.&4th.)
・Trombone(1st./2nd./3rd.)
・Euphonium
・Tuba

・Drums
・Mallet Percussions(Glockenspiel,Xylophone,Vibraphone)
・Tambourine
・Suspended Cymbal/Tamtam


 ソプラノサックスを含む標準的な構成でお送りいたします。

 それでは解説スタート。

・テンポがおかしい

 開幕おかしいテンポはまさかのBPM216。静サツ製作の楽譜の中では最速です。どうもfhánaは速い曲がお好きなようで。
 このため小節数はいままで以上に多くなり、通しで217小節になりました。仮に演奏する手番になったら、譜面を追うだけでも苦労することでしょう。
 ちなみにBPM216をわかりやすくいうと、1小節(4拍)が1秒ちょっとで終わります。
 もっとも、メロディその他は2拍取りなので、実質BPMは半分の108となっています。

・構成もおかしい

 全体の構成はA→B→サビ→A→Bときて、fhánaが得意とする2番サビ→Cメロ→ギターソロの流れです。繰り返し部が少ないのが特徴です。
 今回は基本にのっとり、サビのメインをトランペットと木管群で構成しました。Aは木管(クラリネット)、Bは金管中低音→高音、Cメロはクラリネットを中心としたトゥッティ。ギターソロはサックスアンサンブル。その後、ホルンソロ→ペットソロ(以上はイントロ部の再現)→サビとつながります。
 と、一見シンプルに見えますが、実は結構複雑です。
 まずサビですが、途中で選手交代が2度ほどあり、最終的に低音(バスーン、バスクラ、バリサキ、チューバ)以外全員がメロディないしハモりのどれかを必ず担当します。木管同士、金管同士、それぞれでハーモニーを生み出しています。ていうか、原曲でここの背後がベースとドラム以外わからなかったのが原因ですが。
 この曲は全体を通してサブメロディが多めになっています。時折メロディすら覆うようなやつもいるので、演奏では要注意の項目です。

・繰り返しの悪夢、再び。

 「海色」で悩まされた繰り返し問題に、またも直面しました。
 サビは都合3回訪れるのですが、ドラムが全パターン異なるという仕打ちをfhánaさんはやってくれました。打ち込みだからってなめやがって(※)!
 ついでに最後のサビだけ出だしが異なり、ベースが完全に遊んでおります。おかげでまとめるにまとめられません。
 ついでに、Bメロも2回出てくるのですが、こちらもドラムが異なるほか、サブメロディに変化があります。
 範囲が狭ければ注意書きや小音符ですむのですが、なにせ変更点が10小節以上もあり、位置もばらばらなのでいかんしがたいと、にっちもさっちもいきません。
 そんなわけで、申し訳ありませんが、総譜は217小節全て繰り返しなしで作成してあります。むしろだれか省略版作って。
(※fhánaは生演奏でもドラムはシンセサイザーを使用)

・今回の主役

 出だしから目まぐるしくメロディが入れ替わるこの曲ですが、メインはトランペットとクラリネットになっています。トランペットの比重は高めですが、音は高くないので普通に蕗切れれるレベルでしょう(少なくとも「アイデンティティ」に比べれば)。
 構成にも書いたように、Aメロ:クラリネット→サビ:トランペットの流れは、吹奏楽ポップスではよく見られる構成です。各パートにメロディをふった結果、(割り振りの上では)オーソドックスな構成に落ち着きました。まあ、先にも書いたように中はぐちゃぐちゃなんですが。

・割とおちついたベース

 fhánaのベースは毎度キレのある(=楽譜にしづらい・聞き取りづらい)ものですが、今回はいつもに比べて落ち着いています。
 とはいっても、聞き取りに一番かかったのはベース。ただでさえテンポが速い上に、軽く3オクターブぐらい動くので、注意していないとあっという間に聞きそびれます。
 吹奏楽の低音楽器は音の範囲が2~3オクターブぐらいしかないため、低音4パートをあわせたときに実際のベースの動きに合うよう、各パートで調節してあります。音域は小さくなる反面、跳躍が大きくなるという弊害も……

・そしてこのドラムである

 打ち込みだけあって、さほど難しくありませんでした。
 テンポ216なので聞き取りには苦労しましたが、実際の演奏を考えると普通に演奏できるレベルだと思います。
 編曲にあたり変更した点として、原曲ではクラッシュシンバルが2枚(左右)にスプラッシュシンバルが加わっていますが、ロックバンドのドラムセットならともかく、吹奏楽のドラムセットにそれらを要求するのは非常に酷(特にスプラッシュ)なので、クラッシュとライドにそれぞれ再振り分けを行っています。

・はじめてのMIDITrail

 今回動画にMIDITrailを使いました。MIDIが流れていく様子を目で見ることができるソフトです。
 今回テンポが216と言うこともあり、MIDIの流れる速度をかなり速くして、コメット=流星の表現をしています。
 まあ、実際の「コメット・ルシファー」の舞台は岩石惑星なんですけどね。


 ということで、以上が紹介です。
 全体的なパートの難易度は低めですが、楽譜を読む段階で苦労しそうですね(他人事発言)。
 それでは、次回作でお会いしましょう。


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