知らせてきた日を忘れない
電動自転車を走らせていたら
電話がなった
息子から検査結果の連絡だ
「ガン」と聞いた途端に
足がガタガタ震えて止まらなかった
立ちつくすしかなかった
あの日から7年がたった
居酒屋の大将と最後のLINEを
したのも7年前だった
舌癌で治療中だった
しばらくしたら 連絡が途絶えた
息子の完治を願ってくれた大将が
亡くなったと聞いて泣いた
息子は順調に定期検査を
クリアしていた
10年たてば完治だと聞いてた
その日も近いと信じてた
七夕には必ず奇跡がくるように
願った
2年前に息子から再発したと
電話があった
「頑張るしかないな!」
とそれしか言えなかった
二、三日後
奥さんとも電話で話したが
泣きそうな声を聞いた時は
辛かった
大恋愛をして結婚した二人に
まさか こんな日が来るなんて
一年前は息子は更に無念だったろう
18年近く勤務した会社を退職した
息子がこの7年間
愚痴も嘆きも一言も
言わなかったと聞いた事がある
私と同じひびたれの息子に
どこにそんな強さがあったんだろう
7年前 京都大学附属病院の敷地の
すぐそばに全快地蔵があった
それを見つけた私は
一心不乱で手を合わせて祈った
人生であれほど真剣に
祈ったことはないだろうな
毎年 クリスマスの日は
家族と楽しいクリスマスを
しただろうか
体調はいいだろうかと思う
ずっと奇跡を信じてきた
私が生きてる限り
ずっと息子の奇跡を信じる