ビオトープってなに？

地球環境問題が叫ばれる中、従来の自然環境を
取り戻そうという試みの中で誕生したのがビオトープだ。
現在、各地の小中学校や自然公園において積極的に導入されている。
まずはビオトープを辞書で引いてみよう。

ビオトープ 【biotope】

動物や植物が恒常的に生活できるように造成または復元された小規模な生息空間。
公園の造成・河川の整備の計画などに取り入れられている。
〔ドイツ語で生物（bio）と場所（tope）を示す造語〕

三省堂提供「デイリー 新語辞典」より

簡単言うと、ビオトープとは動植物が生息出来る空間のことだ。
ではビオトープとガーデニングの違いは何か。
私の考えだと、以下の二点で両者は大きく異なっている。
１．水辺の存在
２．動物が主役
ビオトープには水の存在が必要不可欠だ。
水辺があることによって、生態系はグッと広がってくる。
また、ビオトープでは動物(特に昆虫)が主役となることに注意したい。
ビオトープを造るには第一に植物の存在は欠かせない。
だが、それは多くの動物を引き寄せるための手段である。
チョウの幼虫に草を食べられたからといって、これを排除することは出来ない。
通常のガーデニングであれば、害虫として駆除してしまうであろう。
それから“特に昆虫”としたのは、その圧倒的な種類、個体数もさることながら、
例えば、ヤゴがメダカを捕食しても我々はそれを認めなければいけないからだ。
メダカは可愛いから守ってあげたくなる。しかしながら、自然界の掟に我々が介入してはいけない。
メダカがヤゴを食べることもあるし、ヤゴがメダカを食べることもある。それが食物連鎖というものだ。
我々はただそれを傍観しているだけでいい。よって感情的な人にはビオトープは向いてない。

私は都会に住んでいる。マンションの３階だ。隣はビル。
周りは都会のコンクリートジャングルだ。土の地面などほとんどない。
近くに公園があるものの、極めて人工的であるし、多様な生物の存在は確認されない。
私がベランダにビオトープを設置したのは昨年の８月のことだ。
理由は周辺に住む生物にとっての休憩所を提供したかったからだ。
ビオトープとして設置したのは以下の３つ。
１．幅６０ｃｍガラス水槽(昨年８月～)
２．幅４５ｃｍガラス水槽(今年４月～)
３．直径４０ｃｍプラスチック洗面器(昨年８月～)
幅６０ｃｍ水槽は河川敷で拾ったものだ。かなりいい状態で落ちていた。
ビオトープの設置を決意したのは、この水槽と出会ったからだといっても過言ではない。
あとで解説するが、植物を植え込みかなり充実したものとなっている。我がビオトープのメインだ。
幅４５ｃｍ水槽は使わなくなった水槽(実はガラスにヒビをいれてしまった)を利用したもの。
ここでは全ての植物を種から育てている。といっても、ガマ以外は雑草だ。
完成するのは２～３年後だ。ゆっくりと待ちたいと思う。
直径４０ｃｍ洗面器は１００円ショップで購入したものだ。一番大きな洗面器を選んだ。
ビオトープ作成当時、やや多くの植物やメダカを集めてしまったので設置した。
実際、ビオトープを２箇所に分けるのはとても有効なことだった。
どちらかがダメージを受けても、あとで補完することが出来る。メインを支えるサブである。
結局のところ、ビオトープの器は何でもいい。
洗面器でも衣装ケースでも鉢でも、安定したものであればどれでも構わない。
ただ一番のオススメは水槽だ。横からも観察できると色々と好都合である。
ちなみに私はビオトープを造るにあたって、お金をほとんど使っていない。
廃材や自然に存在するものを利用すれば、お金がなくてもビオトープを造ることは可能である。

(続く)