クリリンには鼻がある！

クリリンには鼻がない。
そのおかげで第２１回天下一武道会
第１試合の対戦相手バクテリアンに勝てたのは有名な話だ。
だがクリリンに鼻がないということに矛盾する場面が直後に出てくる。
それは第５試合、クリリンVSジャッキー・チュンでのこと。
お互いの攻撃が速すぎたため、それらを自ら解説する場面がある。
以下台詞を引用。
ジャッキー「こんどはこいつがハナクソをとばしたのでひっこめた。」
クリリン「ふんっふんっ。」(ハナクソを２発飛ばしながら)
！？
この描写は明らかにおかしい。
鼻がないのに何故ハナクソが飛ばせるんだ？
慌てるな。とりあえず“はなくそ”を辞書で調べてみた。

はなくそ 0 【鼻▼糞/鼻▼屎】
鼻孔中で鼻汁とほこりとがまじって固まったもの。
三省堂提供「大辞林 第二版」より

ここでポイントなのは“はなくそ”が鼻孔(鼻の穴)で形成されるという事実。
これによりクリリンは鼻の穴からハナクソを飛ばしたことが確認された。
鼻の穴があるということは鼻があるということ。
(鼻という“枠”があって初めて鼻の“穴”が存在できるから)。
間違いない。クリリンには鼻がある！(新説)
ではなぜ物語の中の設定でクリリンは鼻がないとなっているのか。
それは外見上鼻がないからだと思われる。
おそらく突然変異か何かの影響で鼻が形成されなかったのであろう・・・
と最初は考えた。が、この突然変異説の可能性は消失する。
愛妻１８号との間に生まれた子供、マーロンにはちゃんと鼻があるからだ。
(ドラゴンボールＧＴ参照　http://www.ahww.or.jp/tuika12/db0124_06.JPG)
一般に突然変異の形質は遺伝することが知られている。
もし鼻が形成されないという形質が突然変異由来のものであれば、
マーロンにも鼻が形成されないはずだ。
となると他の原因を探らなければならない。
では何か。遺伝子を背景とした先天的な原因でなければ、
後天的にクリリンが鼻を削るような事件があったのか。

ここからは、生まれた当時クリリンには
立派な鼻があったと仮定して考えていくことにする。
・・・・・・第２１回天下一武道会の予選での１コマに注目したい。
クリリンは予選の初戦で、あろうことか多林寺の先輩と対戦することになる。
この事実を知ったクリリンは「えっ！？」と驚き意気消沈してしまう。
そして悟空にこう洩らすのだった。以下引用、
「多林寺でいつもいじめられていた・・・も・・・もうだめだ・・・
あいつすごく強いんだぜ・・・オレ試合おりよかな・・・」
そう、クリリンは多林寺時代ずっといじめられていたのだ。
このいじめが原因となりクリリンの鼻が陥没してしまった可能性が考えられる。
ところでいじめていた先輩の実力とはいかほどだろう。
先輩の戦闘力が高ければ高いほど、鼻陥没説の可能性は高くなり得る。
予選の場面で対戦相手とは別にもう１人先輩が登場するのだが、
彼の言葉を信用するなら、クリリンが戦った相手は多林寺ナンバー１だそうだ。
また自ら天下一武道会に出場しに来たことからも相当の実力者であることがうかがえる。
その彼の正拳突きをくらえば、
クリリンの鼻が砕け散ってしまっても不思議ではない。
そしていじめは日常的に行われていた。
砕けた骨が元に戻る余裕なんてなかったのである。
クリリンには元々鼻はあったが、いじめが原因により消失してしまった。
これを外見上クリリンの鼻が見られない理由と結論付けたい。

まだ疑問は残る。
クリリンはなぜ鼻はあるのにバクテリアンに対して平気でいられたのか。
この疑問に対して、私は１つの仮説を立てました。
クリリンは嗅覚障害だったのではないか。
まず嗅覚について説明しておく。
嗅覚とは、揮発性の化学物資が刺激となって、
嗅上皮にある嗅細胞を興奮させることにより生じる感覚のことだ。
においを感じる具体的な経路は、
鼻腔⇒嗅粘膜⇒嗅細胞⇒嗅神経⇒大脳皮質であり、
この経路のどこかが侵されると嗅覚障害が起こる。
クリリンに関して言えば、
いじめの時の頭部外傷により、
嗅神経や大脳皮質の嗅覚野がダメージを受けた可能性が考えられる。
その結果クリリンは嗅覚障害に陥ったのだ。

まとめ：クリリンには鼻があるが、嗅覚障害であった。
(結局はいきあたりばったりの鳥山先生が招いた事件だったということで)

to be continued...

【参考】
ビジュアル生理学・嗅覚　http://bunseiri.hp.infoseek.co.jp/kyuukaku.htm
嗅覚障害　http://homepage1.nifty.com/jibiaka50/kyuukakusyougai.htm
嗅覚障害　http://www.t-pec.co.jp/news/2002news/0202-111.htm