KAIGAN

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セイタカにジェラシー

2004-10-20 03:46:18 | Creatures
セイタカアワダチソウが嫌いだ。

秋も深まってくると、空き地や土手が黄色に染まる。
セイタカアワダチソウが一斉に開花するからだ。その光景は本当に美しい。
野に咲く花で同じ黄色といえばタンポポが思い浮かぶが、
豪華さではセイタカアワダチソウが圧倒的に上だ。視界を占める黄色の割合が違い過ぎる。
しかしながら、長い冬が終わり、春の野にちょこんちょこんと咲いているタンポポが私は好きだ。
別に豪華さを追い求めてるわけじゃないから。花は花らしくあって欲しいから。

冒頭でも述べたが、私はセイタカアワダチソウが嫌いだ。
理由は凶悪な帰化植物(外来種)だから。どんなに色が綺麗でもその点は許せない。
セイタカアワダチソウを嫌いになった原因は、小学校低学年の頃に読んだ科学系の本だ。
地下茎から他の植物の生育を阻害する物質を分泌して生育範囲を広げるのだという。
本文の横にイラストが添えてあったのだが、いかにも悪者なセイタカアワダチソウと、
セイタカアワダチソウに虐められ泣きながら逃げていく小さな花たちの絵をよく覚えている。
(たしかセイタカアワダチソウは「ヒャッヒャー!」だか「ヒッヒー!」と、奇声を発していた)。
もう最悪だ。私の中ではセイタカアワダチソウ=完全悪というイメージが定着してしまったのだ。
だからセイタカアワダチソウをへし折るという殺戮行為に全く抵抗感がない。
生命を奪うという行為ではあるが、それが他の植物の命を守っていることに繋がるからだ。
(この点については、外来魚であるブラックバスやブルーギルを駆逐することと同一である)。
もちろん彼らに直接の非がある訳じゃない。悪いのは外国から持ち込んだ人間の方だ。
でも排除する。矛盾を感じながら、背徳の意識に苛まれながら外来種の生命を奪っていく。
それでも奴らは減らない。また来年、同じ場所に顔を出す。生命力が強いのだ。ゴキブリ並みに。

  ちなみに私の好きなバッタはヒシバッタとノミバッタです。
ベニシジミとセイタカアワダチソウ。蜜が美味しい!?      近くにはイナゴだっている。

なのに、それなのにだ。セイタカアワダチソウは超人気者なのだ。
チョウやハチ、アブはもちろん、カメムシやアブラムシだって寄ってくる。
そのアブラムシを目当てにテントウムシだってやって来る。バッタもいる。

美味しい蜜さえあれば、昆虫たちにとって植物の種類なんて関係ないようだ。

そんな感覚が羨ましく思えた。
グローバリゼーションの波を考慮するならば、仲良くした方がいいんじゃないか。
つまり、外来種を受け入れる広い心が必要なんじゃないかと。
考えてみれば、自然界は弱肉強食なんだから強い生き物が生き残って当然なわけだ。
そこに人間が干渉する余地があるのかっていうと、僕は絶対にYESだなんて言えない。
外来種が全国制覇してしまう筋書きこそが、進化の正しい系譜なのかもしれない。

いや、違う。在来種を守らなきゃいけない。
僕の中での秩序が少し揺らいで来ている。これも必然なのか。
誰に聞いても答えは出ないし、答えなんて最初から用意されてないのだから、
僕は終わることのない自問自答を繰り返し、明日も生きていくんだと思う。
よく分からないけど、以上。今はこうやって逃げることでしか生きていく術を知りません。

嘘です。見えない敵と、自分と闘っています。今日も明日も。昨日だって。



20日現在、超大型の台風23号「トカゲ」が接近しています。お気をつけ下さい。

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13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (Daisy)
2004-10-22 14:58:11
こんにちは。

TBとコメント有難う御座いました。

一見、春っぽい色合いだけど秋なんですねー。以前、セイダカアワダチソウの群集を見て一面が黄色くなった世界に「す・・凄い・・」と驚いた記憶があります。今はその敷地内にマンションが建って黄色い景色が見れなくなったのがちょっと残念。
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こんにちは。 (Rie。)
2004-10-22 15:42:35
子供のころ読んだ本の影響ってありますよね。

タツヤさんの中ではセイタカアワダチソウが「ヒッヒー」と笑いながら周りの小さな花たちを虐げているんですね。

私も結構近い感覚があるかもしれません。

昔,そんな話を聞いたことあるからかな。

でも,世界中みな友達精神もあるし,在来種を守らなきゃって気持ちもあるし,その揺らぎの心もよくわかるわ~。(笑)

虫たちは,自分の欲求にストレートなんですね。



セイタカアワダチソウからここまで発展してるとは!(笑)
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朗報かも (WAKA)
2004-10-22 18:30:49
>地下茎から他の植物の生育を阻害する物質を分泌して生育範囲を広げるのだという。



先日読んだ本によると,繁殖しすぎて自分の成育範囲すらも阻害しはじめたそうです。

もうこれ以上は繁殖できないとか・・・

やはり自然って淘汰されるものなのですね。

うろ覚えの記憶なので間違っていたらごめんなさい。
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コメント、ありがとうございます (タツヤ)
2004-10-22 20:30:40
>Daisyさん

一面に黄色が広がっている光景は本当に美しいと思います。

私の中では『ナウシカ』とリンクしてしまうんです。

でも、セイタカアワダチソウなのかと思うと複雑で(^_^;)

個人的にはセイタカアワダチソウ専門の

セイタカパークなんてのを期待してます(笑)

一定の地域に隔離しておけば、在来種にも問題ないかなと。

うーん、難しいですねえ。でもまぁ希望として!



>Rie。さん

子供の頃にバリバリ影響受けました(^_^;)

とりあえずRie。さんも同じ感覚を

お持ちだということで安心致しました。

あー、実はこのエントリー書いてる時、

眠くて全然思考回路が成立してなかったんですよー。

今読んだら、後半投げやりになってました(-_-;)

あまり気に入ってないので、訂正してしまうかも。

でもそんな時間なかったり(爆)。放置しとくか!(笑)



>WAKAさん

繁殖しすぎて自分の成育範囲すらも阻害!?

なんか凄い分かります。生物って意外とそんなもんですよね。

密閉空間にいるカメムシは自分が出した臭いで気絶してしまうとか、

オオツノジカは角が巨大になり過ぎて絶滅しちゃったとか、

色んな教訓が存在する訳で。結局は盛者必衰なのでしょうか。

そう思ったら、なんだかセイタカが可愛そうに思えてきました。

って、騙されちゃいけないっ!ヤツは悪者なんだ!!

わぁー、一体どっちなんだー!?ますます混乱してきました。
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yomikaki@yy.hiho.jp (yomikaki)
2004-10-23 12:46:29
こんにちは

外来種の問題って結構難しいですよね。

セイタカアワダチソウしかり、ブラックバスしかり。



高校の頃、タンポポの生育調査、西洋タンポポと関東タンポポの分布を調べたことがあります。ものの見事に関東タンポポは駆逐されてました。
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Unknown (hanaboro)
2004-10-23 21:00:41
帰化植物についての思いは、わたしもいろいろと複雑なものがありますよ。タツヤさんと似たようなジレンマはずっとありますね~。



セイタカアワダチソウについてですが。。。

すでにご指摘があるように、セイタカアワダチソウの大群落は、いずれ、自身が出す物質によって種子の発芽が抑えられるので、しばらくするとその場所では消滅していってしまうようですね。でも、大量に種子ができて、それが風に乗って運ばれるので、新たに裸地化した場所に種子が届くと、そこでまた、群落ができちゃいます。つまり、在来種が旺盛に生育している場所ではなく、在来種などがあまり生えていない裸地に、パイオニアとして入り込むので、必ずしも、在来種を駆逐しているというわけではないようですよ。そして、しばらくするとまた、そこで自滅し、また次の裸地へと、、、あちこちと放浪していくんですね~。



しかし、、、だったら、大群落を作らせない対策は?どうなんでしょうね。造成地など、むき出しになってしまった地表面をちゃんと管理するということになるのでしょうか?とはいっても、、、難しい問題ですね。
返信する
コメント、ありがとうございます (タツヤ)
2004-10-24 09:45:42
>yomikakiさん

そうなんですよね、

外来種の扱い方って難しいものがあります。

でもブラックバスが在来種の魚の卵を食べてる映像を見ると、

なんか凄く悔しくて、コノヤローって思うんです。

もともと人間が持ち込んだものですし、

人間がその数をコントロールする必要があるのでしょう。

殺してしまうことも、仕方がないことだと思います。

空き地や土手なんかに行くと、ほとんどがセイヨウタンポポですよね。

でもカントウタンポポが群生してる場所もちゃんとあったり。

私は近所で見つけました(^_^)v

都内、渋谷区なんかでもカントウタンポポの存在は確認されています。

まだまだ負けちゃあいませんよ!

頑張れ、タンポポ。外来種に負けるな!!



>hanaboroさん

同じジレンマを感じていらっしゃいましたか。

私1人だけではなかった!ということで、なんだか嬉しいです(^_^)

セイタカアワダチソウの話、感心して聞いてしまいました。

なるほど、放浪を繰り返す旅人的存在なんですね。

裸地から裸地へ。哀愁漂うのは気のせいでしょうか。

とにかくその生命力、繁殖力は驚異的だと思いました。

やはり問題なのは、その土地固有の植物が存在する場合でしょう。

セイタカアワダチソウが地表を覆ってしまっては、

太陽の光りが十分届かず、植物が育ちません。

陽生草本や陽樹が育たなくなれば、

それだけ植物の多様性がなくなるわけで。

植物の変化は当然のことながら動物にも影響を与えます。

外来種の拡大により何か変化が起きていそうですね。ちょっと心配です。
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豊かな自然は多様です (みけ)
2004-10-24 11:54:29
TBありがとうございます(o^-')b

私がセイタカアワダチソウの写真を撮った場所は秩父のミューズパーク付近。連れで行ったキノコ博士の話によると、あの辺りは20年前には道もほとんど無くて、キノコも夥しい種類と数が採れたらしいです。

ですがあの山も開発が入り、3年前と比べてもだいぶ木が切られてしまってますね。外来種の問題以前に、山の自然そのものが無くなってしまいそうです。



西武線に乗ってるとわかりますが、西武秩父の前の駅の辺りはほとんど全て針葉樹の植林地帯で、あそこはもう数少ないキノコ山なんですよね。キノコの出る所は落葉樹林。野生の猿や鹿、熊なども見かける事のできる自然林が残された地域です。知事が変わって今後の開発方針も少しは変わるかもしれませんが…。



ちょっと話がそれましたw

yomikakiさんも仰られてますが、外来種で許せんのは池や湖にバスやブルーギルを放流する輩ですね。あれは完全に人為的で、生態系を壊す以外の何物でもありません。 同じ営利目的でも、牡蠣の生育のために森を蘇らせようとする三陸の試みとは正反対の所業。



それもバス釣りを趣味にする人達の行為にかかってるんですけどね。元来そこに住み着いている魚をゆったりと釣る、そういう風には楽しめないんでしょうかねぇ。またそういう情景は被写体としても絵になりそうな気がするんですが(笑)
返信する
こんにちは (タツヤ)
2004-10-24 12:13:19
長文コメント、ありがとうございます。



カンタンの写真、あれは秩父だったんですね。

開発が進んでいるということなので心配です。

ゴルフ場やホテルなど、レジャー開発には憤りを感じます。

環境アセスメント、本当に実行しているのでしょうか。

豊かな自然が残されることを、私は望みます。



ところでカンタンですが、

私は昨年、23区内のとある公園で見かけました。

たった1匹だけでしたが(-_-;)

もうお目にかかれることはないかもしれません。



ブラックバスの件は本当に許せません。

よく考えれば、あれって商業目的じゃないですか。

釣ったオオクチバスを買い取ってくれる自治体もあるようです。

各地の池から早く排除してくれることを願っています。

もちろん命の大切さも学ばないといけませんが。



今日になって迷いも晴れてきた気がします。頑張るゾ!
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きりん草 (Hina)
2004-10-25 17:28:43
こんにちは。TBありがとうございました。

私は子供の頃、セイタカアワダチソウのことを「きりん草」と言っていました。

そして「きりん草は体に悪いから、近寄ったらだめ」と言われ信じていました。今思えば、アレルギーの走りかな?花好きな母が言うものだから、よっぽど悪い花だと思っていました。

なので、今でもきりん草を見つけると、息を止めて通り過ぎる癖がついちゃってます(笑)
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