水色鉄骨 with SAKURA

鉄の声を聞いた日。

金属で出来た送電線鉄塔。
幼い子供にとってはデンジャラスゾーンだ。
凧揚げをしようものなら、高圧電流が襲ってくるぞ。

と、とにかくだ。
危険地帯であるという認識が先行し、
鉄塔に人が集まるようなことは考えられない。
電力会社の担当者以外、誰も近寄らない鉄塔。
鉄塔が抱く孤独感は想像に難くない。

しかしながら、今の季節だけは違う。
咲き誇る桜に囲まれた鉄塔。そこには大勢の花見客が訪れる。
いつもは寂しげな表情を浮かべている鉄塔も、今日はどこか嬉しそうだ。
鉄骨の水色が鮮やかさを増して輝く。それはきっと鉄の笑い声なのだろう。

やがて私も鉄塔との距離を詰めていった。
そして気付くと、鉄塔の真下にいたのだった。

　　
　　圧倒的な存在感。桜に囲まれ、ハーレム状態の送電塔が羨ましく思えた2005年春。

というわけで、鉄骨ピープルに本格的に参戦でござーい!!