
街には様々なマークが溢れている。
文字や記号を組み合わせたもの、ある物体を抽象化したもの。
カラフルな色彩と奇抜なデザインで迫ってくるものも少なくない。
マークが放つ、強烈な自己アピールだ。
しかしながら、中には意味不明なマークも存在している。
原因は簡略化しすぎたり、オリジナル要素が強かったり色々だ。
というわけで、今回は街で見つけた意味不明なマークを紹介しようと思う。
デザイン考案者の意図にどこまで迫れるか。飽くなき挑戦への始まりである。
まずは写真をご覧になって頂こう。
東京都荒川区のとある公園で見つけたマークである。
これが何を意味するものなのか、分かった方は挙手して頂きたい。
想像力で勝負!
私は「叫ぶ双子」に見えた。
新たな顔文字の登場だろうか。(゜l゜゜l゜)
叫ぶ双子の会?荒川区の片隅で、愛をさけぶ??
いずれにせよ、縦に大きく開いた口から、魂の叫びを聞いた気がする。
熱いソウルが心の中でこだましてるような感覚が今も残っている。

これが問題の柵柱。30本あった。 直方体のイスにも謎のマーク。宇宙人からのメッセージか。
と、私に様々な憶測をインスパイアさせたマークだが、まもなくその正体が判明した。
以下の写真をご覧頂きたい。残念ながら、これが最終ヒントだ。
謎のマークが通常の3倍に。
10.9.8.7.6.5.4.3.2.1.0...
それでは、正解を発表します!
そう、あのマークは「めだか」を抽象化したものだったのだ。
「めだか」とは硬骨魚類の「メダカ」のこと。決してドラマの『めだか』ではない。
6匹並んで泳いでいる姿は、さながら童謡『めだかの学校』のようだ。
水にながれて つーいつい みんなが そろって つーいつい♪
:― :- :- :-
:― :― :- :- :- :-
:― :― :- :- :- :-
:― :- :- :-
麗らかな春の日差しが水面に反射してキラキラと輝く。
鳥はさえずり、恋人達は愛を囁く。遠くで子供たちの笑い声が聞こえる。
穏やかな風が頬を撫でる。僕は大地のベッドに抱かれたまま、子犬と戯れる。
嗚呼、なんて幸せなんだ。・・・そんな光景が目に浮かんで来ないだろうか。
と、正解が分かったところで最初の写真を思い出してみよう。
あの謎のマークから「めだか」を連想するのはちょっと無理があるのではないか。
いくらなんでも抽象化しすぎである。これでは「めだか」じゃなくて「めでか」だ。
しかしながら、特徴をよく捉えているとも言える。
「めだか」の名前は、目が大きく、頭部の上端から飛び出していることに由来しているからだ。
事実、メダカは日本産淡水魚の中で最も小さいのである。そのため相対的に眼が大きく見える。
メダカをデザインとして抽象化する場合、眼を大きく描くことは必然だったのだ。(QED)
なるほど、納得!というわけで、あのマークを見たら「めでか」と叫んで下さい。
決して「叫ぶ双子」マークではありません。あしからず(^_^;)
ちなみに、「めだか」を漢字で書くと「目高」となり、
“見抜く力や見分ける力がすぐれていること”という意味を持つ言葉になります。
この公園には人工の小川が流れていた。
どうやらかつては天然のメダカが生息していたらしい。
公園に設置されていた説明書きには次の内容が記されていた(要約)。
「江戸時代、ここには「八幡堀」と呼ばれる農業用水路が存在し、田畑に水を供給していた。
しかし、都市化の進展と共に水路は姿を消し、今ではまったく存在しない街となってしまった。」
皆さんはご存知だろうか。1999年、メダカが絶滅危惧種に指定されたことを。
説明書きにあったことは、ここ荒川区のみならず、全国的に見られる状況であろう。
遺伝的撹乱も心配されている。もはや我々にとって野生のメダカは身近な存在ではないのだ。
【メダカ保護リンク】
★環境省 ★自然保護事務所 ★生物多様センター
★野生メダカのホームページ(日本野生メダカ保存会)
★日本めだかトラスト協会(高知県生態系保護協会)
★メダカの生息状況と保護(水産生物学研究室)
あの「めだか」マークは自然環境の保全、回復を願ったものだということが分かった。
ってことは、もしかしたら自然界からの「叫び」とのダブルミーニングなのかもしれない。
自然界から発せられる警告。我々はそれに耳を傾け、生活様式を見直さなければならない。
これを機会に環境問題について、ご家族や地域の皆さんと話し合って頂ければ幸いです。
゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜
゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜
見る方向によって様々な様相を表現するマーク。
これからも意味不明なマークを追い求めたいと思います。
みなさんも街中で変なマークを見かけたら、色々想像してみて下さいませ。
【Information】
今回訪れた場所/荒川区立尾久八幡公園
アクセス方法/都電荒川線「宮ノ前」駅下車、徒歩1分

公園内には「せせらぎの小路」も。 「流れ装置制御盤」は休業中...orz
都電を一台まるまる貸切り!
貸切料金(片道)は普通13.820円。意外と安くないか。
“アルコールも可”とのことなので、お花見列車として貸し切ってみたい。
夢の世界と化す早稲田―三ノ輪橋間。ほほを染めて美酒に酔いしれたい。
関連記事:「TWIN GUARDIAN DEITIES OF THE SHRINE II」
【追記】(2月23日)
この記事は、デイリーポータルZのコネタ道場に採用されました。
審査して下さった道場主の石原浩樹さん、本当にありがとうございました。
文字や記号を組み合わせたもの、ある物体を抽象化したもの。
カラフルな色彩と奇抜なデザインで迫ってくるものも少なくない。
マークが放つ、強烈な自己アピールだ。
しかしながら、中には意味不明なマークも存在している。
原因は簡略化しすぎたり、オリジナル要素が強かったり色々だ。
というわけで、今回は街で見つけた意味不明なマークを紹介しようと思う。
デザイン考案者の意図にどこまで迫れるか。飽くなき挑戦への始まりである。
まずは写真をご覧になって頂こう。
東京都荒川区のとある公園で見つけたマークである。
これが何を意味するものなのか、分かった方は挙手して頂きたい。

私は「叫ぶ双子」に見えた。
新たな顔文字の登場だろうか。(゜l゜゜l゜)
叫ぶ双子の会?荒川区の片隅で、愛をさけぶ??
いずれにせよ、縦に大きく開いた口から、魂の叫びを聞いた気がする。
熱いソウルが心の中でこだましてるような感覚が今も残っている。


これが問題の柵柱。30本あった。 直方体のイスにも謎のマーク。宇宙人からのメッセージか。
と、私に様々な憶測をインスパイアさせたマークだが、まもなくその正体が判明した。
以下の写真をご覧頂きたい。残念ながら、これが最終ヒントだ。

10.9.8.7.6.5.4.3.2.1.0...
それでは、正解を発表します!
そう、あのマークは「めだか」を抽象化したものだったのだ。
「めだか」とは硬骨魚類の「メダカ」のこと。決してドラマの『めだか』ではない。
6匹並んで泳いでいる姿は、さながら童謡『めだかの学校』のようだ。
水にながれて つーいつい みんなが そろって つーいつい♪
:― :- :- :-
:― :― :- :- :- :-
:― :― :- :- :- :-
:― :- :- :-
麗らかな春の日差しが水面に反射してキラキラと輝く。
鳥はさえずり、恋人達は愛を囁く。遠くで子供たちの笑い声が聞こえる。
穏やかな風が頬を撫でる。僕は大地のベッドに抱かれたまま、子犬と戯れる。
嗚呼、なんて幸せなんだ。・・・そんな光景が目に浮かんで来ないだろうか。
と、正解が分かったところで最初の写真を思い出してみよう。
あの謎のマークから「めだか」を連想するのはちょっと無理があるのではないか。
いくらなんでも抽象化しすぎである。これでは「めだか」じゃなくて「めでか」だ。
しかしながら、特徴をよく捉えているとも言える。
「めだか」の名前は、目が大きく、頭部の上端から飛び出していることに由来しているからだ。
事実、メダカは日本産淡水魚の中で最も小さいのである。そのため相対的に眼が大きく見える。
メダカをデザインとして抽象化する場合、眼を大きく描くことは必然だったのだ。(QED)
なるほど、納得!というわけで、あのマークを見たら「めでか」と叫んで下さい。
決して「叫ぶ双子」マークではありません。あしからず(^_^;)
ちなみに、「めだか」を漢字で書くと「目高」となり、
“見抜く力や見分ける力がすぐれていること”という意味を持つ言葉になります。
この公園には人工の小川が流れていた。
どうやらかつては天然のメダカが生息していたらしい。
公園に設置されていた説明書きには次の内容が記されていた(要約)。
「江戸時代、ここには「八幡堀」と呼ばれる農業用水路が存在し、田畑に水を供給していた。
しかし、都市化の進展と共に水路は姿を消し、今ではまったく存在しない街となってしまった。」
皆さんはご存知だろうか。1999年、メダカが絶滅危惧種に指定されたことを。
説明書きにあったことは、ここ荒川区のみならず、全国的に見られる状況であろう。
遺伝的撹乱も心配されている。もはや我々にとって野生のメダカは身近な存在ではないのだ。
【メダカ保護リンク】
★環境省 ★自然保護事務所 ★生物多様センター
★野生メダカのホームページ(日本野生メダカ保存会)
★日本めだかトラスト協会(高知県生態系保護協会)
★メダカの生息状況と保護(水産生物学研究室)
あの「めだか」マークは自然環境の保全、回復を願ったものだということが分かった。
ってことは、もしかしたら自然界からの「叫び」とのダブルミーニングなのかもしれない。
自然界から発せられる警告。我々はそれに耳を傾け、生活様式を見直さなければならない。
これを機会に環境問題について、ご家族や地域の皆さんと話し合って頂ければ幸いです。
゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜
゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜ ゜l゜
見る方向によって様々な様相を表現するマーク。
これからも意味不明なマークを追い求めたいと思います。
みなさんも街中で変なマークを見かけたら、色々想像してみて下さいませ。
【Information】
今回訪れた場所/荒川区立尾久八幡公園
アクセス方法/都電荒川線「宮ノ前」駅下車、徒歩1分


公園内には「せせらぎの小路」も。 「流れ装置制御盤」は休業中...orz
都電を一台まるまる貸切り!
貸切料金(片道)は普通13.820円。意外と安くないか。
“アルコールも可”とのことなので、お花見列車として貸し切ってみたい。
夢の世界と化す早稲田―三ノ輪橋間。ほほを染めて美酒に酔いしれたい。
関連記事:「TWIN GUARDIAN DEITIES OF THE SHRINE II」
【追記】(2月23日)
この記事は、デイリーポータルZのコネタ道場に採用されました。
審査して下さった道場主の石原浩樹さん、本当にありがとうございました。
冬眠から覚めてきましたか?
メダカは風呂敷や手ぬぐいにもあんな柄ですね。
目ばっかりで体ひょろひょろ。
シンプルで可愛いです。
ところで記事消しちゃったみたいですが、
サイエンスZERO、見ましたよ~。
すごーいすごーい、とただそれだけでした(^^)
東大付属とかのロゴに使えばいいのに。
わたしにはトンボに見えました。
川っていうから余計確信を深めたところで、「めだか」と言われると、確かにそう見えてくるから不思議。
私の狙い通りです!(笑)
「計画的犯行」とでも言って下さい。
あ、それはそうと今度micioさんの鼻血吹かしたります( ̄ー ̄)ニヤリッ
とりあえず3連弾コンボの用意がありますので、覚悟しておいて下さいね。
>Bakeさん
ごめんなさいm(__)m
もう少し冬眠期間は続きそうです。
ただ、書く力が鈍ってしまうので
時々記事を書いては公開しています。
そうか!「めだか」マークは和柄だったのか。
(ほぼ日の和柄タオル、欲しかったなぁ)
一見単純に見えるマークも、伝統的だったりするのかも!
Bakeさん、いつもアドバイスありがとうございます(^_^)
『サイエンスZERO』の記事もご覧頂けたんですね。
これはちょっとした伏線でして・・・。タイタン記事、執筆中です!(爆)
>ひろたさん
検索してようやく意味が分かりました。
東大付属って“双子の研究”で有名なんですね。
たしかにオフィシャルロゴとか面白いかも(笑)。
ひろたさんの「トンボ」って意見も分かります。
翅があったらトンボ確定でした。惜しかった!
最後のヒント見てトンボ!って思ったけど...
残念!!
初めまして、こんにちは。
問題のマーク、正解は「めだか」でした。
街中には“謎のマーク”が溢れていますので、
是非ポムさんも見つけて下さいませ。面白いです(笑)。
>Unknownさん
初めまして、こんにちは。
検索して、ようやく意味が分かりました。
清水建設という会社のLCV推進のためのシンボルマークのことですね。
http://www.shimz.co.jp/corporate_information/keieisenryaku.html
確かに、こちらのマークも「めでか」マークに似ていますねえ(笑)。
貴重な情報、誠にありがとうございました。
>タコさん
初めまして、こんにちは。
お気持ちはよく分かります(苦笑)。
けど、公園に不適切なマークがあったら、
苦情報告の後、即行撤去されてしまうでしょうね。
この度は正解に辿り着けず、誠に残念でしたー。
次回のチャレンジを期待しています。