長かった梅雨も終わり、猛暑が続くなか山の日の連休前に一日年休を取ってテント担いで常念岳に登ってきました。本当は蝶ヶ岳方面に縦走しようと考えていたのですが、GWの硫黄岳以来マトモに登山をせずにいたため体が鈍ってしまっておりテント担いだ状態では危険と判断(単にヘタれただけとも言う)し、一ノ沢登山口ピストンにとどめました。いやぁ、久々のテントはしんどかったです(笑)
ルートは以下の通り。ゴールの時GPS計測を止めるの忘れてタクシーに乗ってしまったため大きくズレてますが、スタート地点と同じです。こうしてみると常念岳は綺麗な三角形してますね。
8月9日(金)、あずさ1号に乗って松本へ。
松本駅から大糸線に乗って穂高駅まで。10:20着。
穂高駅から予約しておいたタクシーで一ノ沢登山口まで。駅からだいたい30分~40分くらい。料金5000円也。
登山届(入山届)を提出していない人はここで出しておきましょう。トイレはありますが、水場はありません(「この水は沢水で、滅菌処理していません」と注意書きしてある水道あり)ので注意しましょう。自動販売機も見当たりませんでした。
11時前に無事登山口に到着したので準備運動してから出発。
一の沢から5.7km。山の場合、距離もさることながら高低差と道の状況で疲労度が変わるので判断しにくいですよね…。
一の沢登山口からのルートはほぼほぼ樹林帯なので、直射日光はあまり気にしなくて大丈夫です。
川に沿って登って行く感じ。
早々に鳥居が。安全登山を祈願します。
と、曇ってきました。日差しが遮られて少し楽になるかな?
頂上までの間に何回も渡渉しますが、丸太橋がかかっているのでまったく問題ありません。
分かりにくいですが、カラ沢を越えて反対側にマーカー(リボン)があるのでそちらへ。
比較的(岩々していたり沢の水が流れている箇所もありながら)歩きやすい道を通って3.5km地点まで来ました。
ここから以降は涸沢カールへの道のりを思わせる上りが続きます。
ベリーを思わせる(?)実が。サンカヨウ(山荷葉)という花の実だそうです。実は食用で甘い。花びらが濡れると透明になるらしい(調べた)。
そんなこんなで胸突き八丁まで来ました。ここから山頂までの距離は1.4km、コースタイムで1時間10分ほど。
いきなりの階段。まあ短い距離で高低差を稼ぐにはこれしかないですよね。えっちらおっちら(古)登ります。
タムラソウ。秋の訪れを告げる花だそうで、流石にまだ咲いてませんでした。
これはアキノキリンソウ…?(おぼろげ)
これはシモツケソウかな。グレートトラバースで田中陽希さんが「線香花火みたいで好きだ」と発言していた記憶が。
色々な花が咲く道を上っていきます。このへん、北海道の黒岳に登った時の道を思い出します(記事にしてませんが)。
雪渓がほんの少しだけ残ってました。
クルマユリ。
やっと最終水場へ。最終といっても途中に水場らしい水場はないですが(湧き水はそこかしろにあります)。
ここまでダバダバ汗をかいていたので冷たい沢の水をゴクゴクと。最高に美味しかったです!
一息ついてから水を補給しておきます。いちおう、常念小屋でも水は買えます(1リッター200円)。
しかしとにかくザックが重い…テント装備担いでまともに山に登ったのは3年前の表銀座縦走以来で、体も鈍ってるので当たり前か。肩への負担が大きく、もうすでに痛い。
最終水場を超えて、上りの終盤へ。
やっと稜線が見えてきた!
ということで常念乗越へ到着!疲れた!w
おお、槍が見えた!
左手には常念岳。
さっそく小屋の受付でテント泊(と、朝晩の食事)の支払いを済ませます。
お盆開始の前日だったので、テント場はそこそこ空いてました。
久々のテント設営完了。張り方が大変 雑 。
トイレから匂わない程度に離れていて、かつすぐに行けるベストポジション。端っこなので風も避けられます。
あ、トンボ。
テント張ってぼーっとしてたら17時、夕食の時間です。テント泊ですが食事は小屋で済ます軟弱登山野郎です。作るの面倒だしビール飲みたいですし…w (まあとは言っても万が一の時のために食料と道具は持って上がっていて、その分無駄な荷物が増えているのですが)
夕食を食べてテントに戻るかーと外に出ると、なにやら騒然とした空気が。え、何?
え?
クマーーーーーーーー?!
小屋から目測50mくらいのところに熊登場。登山客騒然…していたら小屋の人(?)曰く、「ああ、小屋の裏庭にいるんですよね。何回か追い払ったんですが、どうも居着いちゃってるみたいで…。おとなしいので大丈夫です」とのこと。いやー、大自然にお邪魔させてもらってる感じがすごいです。
心の奥底で「クマさんや、頼むからテント場に来ないでね」と願いつつテント場に戻りました。と、ふと見ると岐阜県側にモクモクと嫌な感じの雲が…。
えー、この後19時くらいから20時くらいにかけてものすごい雷雨が通り過ぎました。雨自体はそんなに強くなかったんですが、ビカビカゴロゴロ鳴りまくっててマジで怖かったです。
その後、平和になったテント場。風もほとんど吹いておらず、満点の星空(写真はPixel3の夜景モードで撮った星空。流石に星空は撮り切れなかったかーと思いつつ、それでも星が映ってるのがスゴイ)。これで隣のテントの人のイビキがなければ最高だったのに(笑)。
朝4時30分。おはようございます。昨日の雷雨と朝露でテントがびっしょり。とはいえダブルウォールテントなので、室内の結露は最小限でした。
常念乗越からの朝焼け。今回はこれを見るためにテント泊してるようなもんです。
穂高岳と槍のモルゲンロート
常念岳も赤く染まります
ケルン越しの朝日
空も綺麗です。
唐突な電波塔。おそらくドコモの電波塔で、これのおかげで(通信速度は遅いけど)ドコモは4Gがバリバリ入ります。
太陽がその姿を全て見せ始めたので、そろそろ朝ごはんタイム。
朝ご飯を済ませて身支度を済ませ、すっかりびしょびしょになったテントを片付けます。(※実はこの時点までは蝶ヶ岳方面に縦走しようと考えていたので撤収したのですが、結局ピストンになったので撤収せずに空身で常念岳に行けば良かった(と、後に後悔))
さて、常念岳に向かいます。
早朝なので、ピカピカの良い天気!
ガレ場なので、岩を落とさないように慎重に登ります。
もの凄い雲海。というかどんどん雲が登ってくる!天気予報では午前中から早々に曇る予想だったので、ドンピシャのようです。
山頂付近は大きな岩が密集しており足場が良くないです。注意。
ということで登頂!
青空に穂高連峰と槍が一望。最高です。
で、蝶ヶ岳方面を見ると結構な下りのようで…ぶっちゃけ常念岳に登頂するだけでも結構肩が痛くなっており「あ、これはアカンわ」ということでサクッと脳内でプラン変更しました。
まあこの眺めでもう大分満足です。曇ってきたら蝶ヶ岳への縦走路も真っ白だろうしね(イソップのキツネ状態)。
ずっとこのままここに居られたらいいのに…。そんな風景でした。
ということで常念乗越まで下りてきました。
水分補給にCCレモン。と、水の補給。最終水場があるので1リットルだけ。あと、下山路では電話が通じないため、ここからタクシーを呼んでおきます。利用したのは行きも帰りも安曇観光タクシーさん(http://www.azumikanko-taxi.co.jp/)。
勢いでTシャツも買っちゃいました。
予報どおり、乗越付近はもう真っ白にガスってきました。まだ10時前なのですが。
あとは黙々と下山しますよ。
水場で水を再度補充。
後はずんどこ下りていくだけなのですが、流石お盆初日。10-20人のツアー客、複数名パーティが何組も上がってきて、その度に停まったりするので思った以上にスピードが出せません。タクシーの待ち合わせ時間をコースタイムより早めにした(いつものペースだと大体コースタイムより早めに到着する)ため、次第に予定に遅れが出始めます。
この辺ではまだ遅れに気付いて無くて花の写真を撮る余裕がありましたw
胸突き八丁を越えたあたりで「あれ?これヤバくね?」と気付き、早めの速度で歩き始めます。とはいえ道には大きな岩がゴロゴロ、沢の水が流れてたりする中なのでかなり速度が出しにくい。その上、はや12年くらい履いてる軽登山用の登山靴のソールがすり減っててまあ濡れた岩に滑りまくる。ストックもブラックダイアモンドの折りたたみ式のものを持ってきてたんですが、先端に専用のプロテクター着けてなくて(買ってなかった)、こちらもまあ滑ること滑ること。さんざん自分(の準備の悪さ)に悪態つきながら下りてました(笑)
なので写真が以下の1枚くらいしか撮れてません。撮ったのも「ああもう歩きにくい!写真撮っておこ!」という謎のモチベーションだけでしたw
なんとか20-25分くらいあったビハインドを解消し、ちょい遅れ(2-3分遅れ)で到着。大変疲れました。
(というか、最初からコースタイムで迎車依頼しておけば急がずに済んだのでは…)
穂高駅から大糸線で松本駅まで戻り、駅のお店でラーメン。下山途中からずっとラーメン食べたいラーメン食べたいばっか考えてましたw
そして、ビールを買って帰途に着きました。予定とはかなり異なってしまいましたが、「クマに遭遇(?)」「テント場で雷雨に見舞われる」「常念側からの最高の朝焼け」「夏の穂高連峰・槍の眺望」の実績解除したので大変良かったです。やっぱり夏の北アルプスは良いですね。
さて、次はどこに行こうかな?