とかなんとかでルー・ラグランに戻すと、このアルバム収録曲で真っ先に目につくのは人気モダン・ソウルとして知られる2曲。7インチ・シングルとして80年代にリリースされ、日本でも主に80年代半ばくらいからブラックミュージック専門店で流通し、というか日本の専門店が買い占めて流通した?買い占めるほどの内容と判断した専門店が素晴らしい!?そしてこれこそがモダン・ソウルという謳い文句?いやコレクターが言い始めたかで呼応し、日本からモダン・ソウル・クラシックとして発信した楽曲と言えるでしょう。モダン・ソウルとは何ぞや、とすると80年代初頭のノーザンソウル・シーンの動きから話さなくてはならないから割愛するとしても、2000年代以降のモダン・ソウルの解釈からは微妙な位置付けとなりますかね。そのあたりもまた別の話として、とにかく日本の当時のコアなソウルファンが情報量の少ない中での労苦から持ち上げたモダン・ソウル・クラシック、私はことのほか思い入れあります。そんなファンは少なくないでしょう。
そしてこの2曲を含むアルバムは、80年代後半から存在こそ知られるものの、流通せず幻となっていた。古いファンならばやはり感慨深いかと。ならばと、期待感いっぱいに耳にしたことでしょう。前述クラシック以外の曲に、同様なダンスナンバーはあるのだろうか?そんなことがまずは関心事になったような気がします。結論から言えば同様な楽曲は無い。そのあたりでいまひとつ乗りきれないといったファンがいるとも耳にしました。モダン・ソウルのファン的には、手垢の付いた楽曲だけしか楽しめない、そんな評価でしょうか。だからといってアルバムが劣るかといえばそうでなく、もちろん前述2曲を含むからだけでもなく、他の楽曲をこそ聞いてもらいたい。ゆったりとした楽曲にソウルシンガーとしてのルー・ラグランを堪能できたり、また昨今のディスコ・ブギー人気に嵌まりアナログがあればフロアを直撃するであろうナンバーが一曲あったり、多彩で楽しめる内容と言いたい。旧来のファンにはディスコ・ブギーならずとも70/80年代のクロスオーバーした感覚は掴み所無いとは思えるが、聞き込めば味わい深くなると思うのだが。また、そんな感覚に違和感なく
ブラックミュージックを楽しんでる向きには最良のアルバムとさえいってしまいたい。さらに言えば、リイシュー関連では旧来の感覚からまた違った尺度へと移りつつある。そんな状況だからこそ、このアルバムの良さも価値さえもが分かりえるのかと思えるのだが。
最新の画像もっと見る
最近の「ノンジャンル」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事