これは9歳で失明して18歳で聴力も失いながらも、盲ろう者として初めて大学教授になった息子とその母の物語だったけど、実話ということですごく説得力があったというか、家族の物語として丁寧に描かれているので母親の思いも切なくて、逆境にめげずに困難に立ち向かう様子に観ているこちらの方が元気をもらえた。
母親役の小雪さんは脚本を読んで出演を熱望したというだけあって、子を思う母親の気持ちが滲み出ていて、息子の福島智さん役の田中偉登くんも、それに応えるかのように屈折しながらも強い信念を持って生きる姿を好演、物語は青年時代までだけど、教授になって現在に至るまでの物語も観たいかも。
牛眼やパラセンなど失明に至るまでの医学的解説もわかりやすくて、この前のボサノヴァライヴで知り合った全盲の方を絶えず思い出しながら観てしまったというか、その時にこの映画を教えていただいたので、次回お会いできたら色々なお話できそうでそこも嬉しかった。
☆あらすじ☆
関西の町で教師の夫や3人の息子とともに暮らす令子。幼少時に失明した末子の智は家族の愛情に包まれて天真爛漫に育ち、東京の盲学校で高校生活を送るが、18歳の時に聴力も失ってしまう。暗闇と無音の世界で孤独にさいなまれる智に希望を与えたのは、令子が彼との日常から考案した新しいコミュニケーション手段「指点字」だった。母子は勇気を持ってひとつずつ困難を乗り越え、人生の可能性を切り拓いていく。
※映画.comより
キャスト
小雪
田中偉登
吉沢悠
吉田美佳子
山崎竜太郎
札内幸太
井上肇
朝倉あき
リリー・フランキー
監督
松本准平
113分
PG12
シネスイッチ銀座1 18:00〜観客15人程/271席
