続・とりあえずの映画鑑賞メモ

イントゥ・ザ・ワイルド(2007米)

“ほんとうの自由と幸福を求めて彼は旅に出る…ジョン・クラカワーのベストセラー・ノンフィクション『荒野へ』を、オスカー俳優ショーン・ペンがメガフォンをとり映画化”

今日は火曜日なので大和→大森経由でお姑さまの子見してから、早めに退出できたので急げばこの作品の本編に間に合いそうなので急いで有楽町に向かいました

この作品は上映時間が2時間半近くあるし予告編を入れると、早めの時間に観られる時でないと帰りが苦しいので今日がチャンス…なんですが、テーマ的に重い予感がして整体院帰りのヘロヘロな状態ではどうかなと少し迷いもありましたが、不思議なもので、派手なドンパチ映画は眠くなるのに、こういった内面的な部分を深く掘り下げた作品はこちらの意識も覚醒するというか、ロケ地アラスカの映像美も圧巻で引き込まれてしまいました。

内容は…“恵まれた境遇にありながらも繊細な感受性ゆえに満たされずにいた一人の青年が、突然すべてを捨て、ヒッチハイクでアメリカを縦断しながら様々な人々との出会いを経て、最後は徒歩でアラスカの荒野へと分け入るまでの心の軌跡を静かに見つめていく”ものですが、自分の若い頃の家族との葛藤などを思い出しながらも、今の自分には、傷ついた者の苦しみ以上に、傷つける側にいた者の苦しみも痛く伝わってきて、子供は持ったことがないけど、親の気持ちが切なく痛かったというか…。

若い時の自分も必要以上に傷つき易かったけど、ある時期にふと、傷つき過ぎるのは割れ易いガラスの破片と同じで凶器にもなるのかも、傷つくことによってより相手を傷つけることになるんだ、と悟って傷つかないようにしようと思いました、そんなに簡単なことではないけど…というか、単に年を重ねたからかもですが(笑)

おっと、映画のテーマとズレてしまいそうですが、もうひとつズレついでに…学生時代に愛読していたヘッセの「荒野の狼」を思い出したのは原作のタイトルが「荒野へ」だからというだけなのかもですが、なんか久しぶりに“痛い”自分を思い出してしまいました。

愛読していた割には、今となってはどんな内容だったかさえ思い出せないのが不思議です、赤鉛筆片手に共感できる箇所を線引きしていた、新潮社の水色の文庫本がまだどこかに眠っている筈、どんなところに線を引いていたのか見てみたくなりましたが“出口なしの閉塞感”にどっぷりと浸かっていたあの頃にもう戻ることはないと思うと、年取るって案外いいことなのかも

なんて、柄にもなく、映画から離れた個人的な思いを書いてしまいましたが、こんな気持ちになっただけでも貴重な作品でした、エンディングに流れる歌がまたしみじみと胸にしみて、このまましばらく映画館の暗闇にじっとしていたかったような…。

ショーン・ペンの監督作品は「インディアン・ランナー」の頃から観てますが、作家性を感じさせる作品作りにますます磨きがかかっているようですね、次回作はどんなものになるのかわかりませんが楽しみです

原題:INTO THE WILD
シャンテ・シネ1 19:00~観客3割程/224席

コメント一覧

ルパン
>zooeyさん

ようこそ、いらっしゃいませ、コメントありがとうございます

zooeyさんも川崎で映画をご覧になるんですね。
ラゾーナは駅からすぐで雨の時でも濡れずに行けるし便利ですよね。
チネチッタは少し離れてますが、雰囲気的には一番好きかも。

そうそう、映画って(映画に限らないんでしょうが)観る時の自分の状態によって思い入れも違うというか、私も若い頃に観たら主人公の気持ちに寄り添えたかもですが…同じように感じる方がいて嬉しいです、“川崎つながり”(?)もあるし、これからもよろしくお願いいたします。

後ほどzooeyさんのところにもお邪魔しますね♪
zooey
http://blog.goo.ne.jp/franny0330
はじめまして。
cayzさんのところから参りました。
私も時々、川崎で観るのですよ。
私はラゾーナやチネチッタが多いのですが…

この作品を観て、私は、やはり昔読んだ五木寛之の「青年は荒野を目指す」を思い出しました。

>今の自分には、傷ついた者の苦しみ以上に、傷つける側にいた者の苦しみも痛く伝わってきて、子供は持ったことがないけど、親の気持ちが切なく痛かったというか…。

そう、観る時の自分の状態によって
感想も変わってきますよね?
若い頃なら、クリスにもっと共感できたと思いますが、今となっては腹が立ちました…
勿体無いことをするんじゃない!と。
でも、綺麗な映像でしたね。
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