あやめの里便り

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「武士の家計簿」

2010-12-08 01:02:06 | 舞台・映画(観るのも演るのも)
主演は堺雅人。
この俳優さんの出ている作品には「ハズレ」が無いですね!
今回の映画も、淡々とある家族の物語が流れて行きますが、正直さとか真面目さとか、日常生活の大事さが伝わって来ます。

本当のところ原作本には、武家や新政府の経済的な話題が書かれているようなのですが、映画では、家族の日常生活に焦点が当てられていて、そこに生活の糧でもある「ソロバン」が関わってきます。武士であるはずなのに、それはカタナよりも大事なもの。

幕末から明治という時代の生活が垣間見られるのも、物珍しい感じがします。
旦那さんが仕事に行く時には、門の外まで出て見送るんだな、とか。

家族構成というか、キャストも何気にすごいです。

ばば様が草笛光子。どこのおひい様かしら、という着付けをしていますが、愛情深く、物の解ったお方に見えます。
父上が中村雅俊。母上が松阪慶子。おっとりしたお2人。
自分が大事にしている物を売り払うのは、愛着もあって、実際もずいぶんお辛かったことでしょう。
息子の堺雅人は、真面目な「ソロバン馬鹿」
それだけに、この窮状は放って置く事は出来ない。驚く程の倹約振りです。
嫁入りして来た仲間由紀恵は、しっかり者。
楽しいです、と言いながら、主人に従います。
子役ちゃんも頑張ったなぁ。役者としても、本人としても、良い経験をしたと思います。

冒頭での家の様子は、物が溢れるほど置いてあり、売り払って一千万(現在価格)はなるほどという感じです。武士が買い求める骨董品なんて、名品が多かったでしょうし。
でも、日用品くらいは置いておいても良かったんじゃないかなぁ。
また買おうと思ったら、高くつくじゃん。

・・とにもかくにも、家族の為に仕事をし、「大黒柱」として家族を支え、「家」を建て直した猪山直之という武士の、律儀な一生の物語です。

塩野七生さんの言う、「日本人のちゃんとした所」ってこういう事なんじゃないかなぁ。

ふと、明治生まれの祖父母を思い出しました・・。

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