五浦海岸に弟子と共に移り住み「日本美術院研究所」を設立した明治美術界の怪人、岡倉天心の生涯を辿った映画です。
本当を言うと、描き方としてはあまり解り易いものでは無く、天心本人の常軌を逸した生き方考え方は到底凡人には理解し難いものでありました(特にその部分は深くは追わず、あっさりと描かれています)
しかし映画では竹中直人の怪演と、素晴らしい弟子達が生み出そうとするもの、五浦の波のうねりと潮騒が、その世界を描き出そうとしていて、観ている側もそのうねりと共に、その世界の入口を体感する事になります。
朦朧体と呼ばれる彼らの画法、「その先にあるものが見たいのだ」という天心。
「見得ざるものの、その先を見る」苦悩が、主に弟子の菱田春草によって描かれます。
ちょっと嬉しいかもv
五浦美術館に行った時、一番心惹かれたのが実はこの方の絵なのです。
なんと繊細で透き通った絵を描かれることか。
この方の奥様を演じたのはキタキマユさん。茨城出身の女優さんです。
極貧であっても、感情的にならず旦那さんを信じて支えて行く。
こんな素晴らしい女性なのに、どこまでも謙虚です。
小さな子供達も、1人も欠ける事がなくて本当に良かった。
この映画は計画途中で震災があり、地元の協力と復興の願いを込めて作られました。 全国でも公開されます。
前半は多少モヤモヤしますが、日本画への情熱が、五浦の荒々しい自然の映像と見事に絡んで行く様が見事です。
茨城は美しい。
五浦美術館に、もう1度行ってみたいと思いました。
※映画「天心」オフィシャルサイト内の「天心プロジェクト」、是非会わせてお読み下さい。
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