素(す)ブログ

sepa島帰りの船で遭難

若い乗組員がボートの先頭に立ち、向こうの方に見える船に手を振って
合図をするが、無情にも通り過ぎた

乗っているボートのエンジンが止まり、
大きな波に文字通り木の葉のようにぶらんぶらんと揺れる
乗組員たちが大声で喋っているがまるで喧嘩しているようだ
一人の人が電話をしながら怒鳴っているので
ああ、電話が通じるんだとちょっと安堵する

インドネシアの若くて可憐な女性が耐えきれずリバース
乗客は小学生(幼稚園)二人を含む合計14名
乗組員は5名ぐらい
状況がわからず説明もなくただ待っている私たち
sepa島の港からジェットボートに乗り、港に帰る途中です

スピードを出して飛ぶように走るが、時々ドシンドシンと尻餅をついたような衝撃がある
横目で見ると若い乗組員がライフジャケットをぎゅっと握りしめて右手は 前の座席の端を持って前方を見ている

今、危ない状況か?
それともあなたはただ泳げないので船が怖いのか?

なんて考えているときエンジンが急に止まったのだ

後ろを振り向くと YAMAHA のネームが入った作業服を着たちょっと大柄な人が
指図しているようだ
あの、ドシンドシンとした衝撃が故障の原因かしら

15分ぐらい慌ただしく右往左往していたが
弱々しくエンジンがかかり、ゆっくり動き出した
やったー
地平線の向こうに大きなビルが見える、もう直ぐ到着する

しかし、二、三分でプシュプシューと止まってしまう
また木の葉のようにぶらんぶらんと揺れる
まるで遊園地の果てしないジェトコースター乗っているようじゃないか
インドネシアの若くて可憐な女性がまたもやリバース
私は酔い止めの薬を飲んでいるためか今のところ大丈夫だ
かわいそうに苦しいだろう、同情する

大きな声の乗組員だが乗客は静かに待っている
前の席のロシア人カップルと男性の三人組
その前はインドネシア人カップル
その前は中国人の親子連れ
斜め前にあの可憐な女性と恋人らしき男性
その前はインドネシア人の親子
そしていちばん後ろに夫と私と娘

何度目かのリバースで恋人の肩で泣き出してしまった可憐な女性

おい、この状況を説明しろよ乗組員
小声だがブツブツ言ってる私に

「お母さん、小さい子供もいるから大きな声を出さないように、パニックになる」

大きな声〜?こんな小さな声を出しているのに!
あの乗組員の声が怖すぎるぞ

なんで皆さん静かなの?
私はライフジャケットを確認し、
沈没しそうになったらこの小さな窓から脱出する
もしエンジンから火が出たら前の窓から脱出する
しかし、窓が小さいな、といろいろ頭の中で考える

20分ぐらい木の葉のように揺れていると
赤と白の旗を付けたボートが助けに来た
やったー

船を繋いで曳航しながら進むのね、
もしかしたあっちに乗り移るのかも
ホッとしながら見ていると
黒っぽいタンクを二個、こちらのボートに移した
とっても重そうだ

え?
燃料?
ガス欠ですか?

ホースで燃料を入れながら、ドドドドと進んで港に到着しました

娘が
「今度乗るとき、ガソリン?と聞いてから乗る」
と言いました


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