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One Step ~ 橋本新企画公式ブログ

(株)橋本新企画公式ブログ。ソーシャルコミュニティめぐりやは閉店しました。スタッフの活動、東京都北区の地域の情報など。

169)赤羽の片隅から~無料弁当雑記9/21

2021年09月30日 | 無料弁当
9/21(火)

無料弁当60個+フルーツ白玉25個、お菓子、マスクを21:30から提供して22:10頃には完パケ。中秋の名月。お月見ということで、先着25名分だけだが、デザートに白玉を用意した。開始時に15名以上の長蛇の列。10分も経たず、あっという間に半数以上の弁当が無くなった。その後の常連も、今夜は早めの来店だった。



月末が近いので生活費が厳しい方も多いのだろう。今月から生保を利用している方が久々に訪れ「金が足りなくなってきたので来た」と言う。普段は見かけない若い方に話しかけると、昨日で米が無くなり、キツイと話す。自炊をすると言うので少し野菜をあげた。みんなカツカツだ。



線路の向こうから来ているホームレスに、昨夜見たという足の悪いホームレスの話を聞く。その方が、しばらく水しか飲んでいないことを心配した彼は、今夜も寝床を訪れ、一緒に当店に行こうと誘ったらしい。ところが、彼は昨夜、救急車で病院に運ばれて調子が悪く、歩いて来られないそう。寝床の場所を詳しく聞いて、自転車で弁当を配達することにした。



彼は某所に座っていた。昨夜は転倒し、近くの交番にいた警察が救急車を呼んでくれた。骨にヒビが入ったと話す。路上歴は長く、以前は新宿の都庁の近くにもいた。新宿で定期的にある炊き出しのことも「あそこは医者がいるんだよ」とよく知っていた。

赤羽にもいたらしく、参考までにどこにいたか聞くと、終電が終わってから行動していたとのこと。さすがにその時間帯の夜回りはできていない。「この時間帯にここにいれば、また持って来ます」と伝えると、感謝の言葉を口にした。



この街には、私たちがまだ把握できていないホームレスが大勢いるのだろう。満月に無事を祈る。

(9/22のTweetより 一部修正)
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168)赤羽の片隅から~無料弁当雑記9/20

2021年09月29日 | 無料弁当
9/20(月)

無料弁当60個+お菓子、マスクを21:30から提供して22:45頃に完パケ。

開始時に15名ほどの行列。話し好きのオジサンが久しぶりに来て、賑やかなスタート。開始10分で飛ぶように出て、少し焦ったが、なんとか最後の常連の分まで足りた。話し好きのオジサンは、仕事で疲れて酒を呑み、寝てしまう日が続いただけで、体調不良ではなかったそう。4日ほど来なかったので、心配していたが杞憂だった。



「10月はどうするのか?いつ決まるのか?」と聞かれる。緊急事態はどうなるのだろうか。まだ検討中と答える。



線路の反対側から来る常連のホームレスが、「杖をついた男性は来なかったか」と聞いてくる。来る途中の駅前で、ボーッとしているので話しかけたところ「しばらく水しか口にしていない」とのこと。「めぐりやという店で無料で弁当が出る」と、場所と提供時間を教えたらしい。ほとんどのホームレスは、無用なトラブルを避ける為に、他人とは関わらない。金の貸し借りで喧嘩したり、物を盗まれたりすれば、命にも関わる。有益な情報を他人に伝えることは、自身の首を絞めることにも繋がり兼ねない。



常連の彼も同様で、路上に出てから長いらしいが他人とは一切交流をしない。そんな彼が、困窮者に声をかけ、無料弁当の宣伝をしてくれたという事実に驚く。それらしい方は来ていないので、利用者から頂いた差し入れのお菓子を持ち、帰宅するついでに駅前へ見に行ったが、残念ながら見当たらなかった。どこかで支援を受けているといいのだが。



先日利用者から頂いた手紙によると、私はアンパンマンらしい。そうだ、恐れないでみんなのために、愛と勇気だけが友達さ。

(9/21のTweetより 一部修正)
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167)赤羽の片隅から~無料弁当雑記9/19

2021年09月28日 | 無料弁当
9/19(日)

無料弁当60個+お菓子を21:30から提供して22:20に残り4個。台風一過のお天気のいい一日。開始前に店頭で某宗教団体が勧誘をしていた。以前のように、無料弁当の利用者をターゲットに来たのかと思い、離れた場所で見ながら警戒していたが、そのうちに人通りの多い方へ去って行った。

開始時に12名ほどの行列。久々に盛況。その後も人の波は続き、わずか10分で用意したうちの半分程の弁当が旅立って行った。いいペース。



路上脱出一人目の方へはスタッフのSさんが。少し離れた場所を寝床にしている二人のホームレスには、家が近い利用者の一人に配達をお願いしている。配達先の様子は時々聞いている。どちらも当店の場所と弁当の提供時間を把握しているが、取りに来ることができない。どちらも酒呑みであり、僅かな生活費を酒に溶かし、早くに眠ってしまう日がほとんどである。呑む理由は人それぞれだが、その気持ちはよくわかる。



ひとつは防寒のため、もうひとつは恐怖心を抑えるため。路上は暴力をふるわれたり、荷物を盗まれたりする危険と隣あわせだからだ。余談だが、2007年に少年が「ゴミ掃除」と称して、寝ていたホームレスに火をつけ、大火傷を負わせた事件があった。事件の舞台は、当店近くの赤羽公園。最近は聞かないが、野良猫や鳩の虐待事件もあった。



自分が襲われるかもしれないという恐怖に怯えて酒を呑まざるを得ず、身体がボロボロになったホームレスは多いと聞いた。ここしばらく会っていないが、配達先の方々の健康を願う。そして、いつも配達してくれるお二人に、この場を借りて感謝。今夜も遅くまでお疲れ様でした。

(9/20のTweetより 一部修正)
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166)赤羽の片隅から~無料弁当雑記9/18

2021年09月27日 | 無料弁当
9/18(土)

台風14号が関東に接近してきた日。無料弁当60個を雨が降っていたので、2個ずつ袋詰めし、お菓子を入れてセットしたものを21:30から提供して23:00過ぎに残り2セット。本降りだった雨も開始時には傘も要らないほどの小雨になった。それでも出足は鈍く7名ほどの列。



雨の日は外の箱に入れたままにはできないので、外に待機し、人が来てから店内に置いているものを窓から出して手渡しする。遅い時間帯は、ほとんど人が訪れず、来ぬ人を待つ忍耐の時間。雨の日は弁当が無くても大丈夫な方と、毎晩必要な方との差が、取りに来る人数にあらわれるのだろうか。昨夜と同じく、ホームレスなどに多めに持ち帰ってもらう。ホームレスの一人は朝方の大雨で寝袋が濡れたらしいが、何とか大丈夫だったとのこと。



夕方に、先日自家製のナスを寄付してくれた方から、ナスが届く。たくさん頂いたので、自炊をする方に声かけし、提供した。中には「Twitterに書かれていたものですね」と話す方もいた。感謝。



弁当は肉がメインのものと魚がメインのものの2種類つくっている。寄付頂いた食材の量などにより、場合によってはおかずの違うものが数種類できあがる。毎晩食べても飽きないようにしているつもりだが、日替わりなので何が入っているか分からず、好き嫌いや制限がある方にはハードルの高い弁当。



21:30と提供時間も遅く、事前予約もできない。何が入っているか選べず、遅い時間には残っているかどうかも分からない。無料とはいえ、そんなハードルの高い弁当を取りに、今夜も20名近くの方が、赤羽の片隅にある当店を訪れる。恐らく必要としている方は、もっと多いだろうと思う。今夜もできることをやるのみ。

(9/19のTweetより 一部修正)
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165)赤羽の片隅から~無料弁当雑記9/17

2021年09月26日 | 無料弁当
9/17(金)

無料弁当60個+お菓子、マスクを21:30から提供して、22:30には残り4個。関東は、予報では台風前夜。雨は降らなかったが、開始時に集まった人数は少なめ。みんな雨が降るのを心配してか、傘を持っている。出足が鈍く大量に余りそうだったので、近所のホームレスに配達に行った。その他、遅めに来るホームレスなどに、少し多めに持たせた。

パスタ20キロで食いつないでいる方に提供しようと、食材などを用意しておいたのだが、今夜は来なかった。そんな夜もある。皆が無料弁当を利用しなくてもいい世の中になることが理想なのに、見知った顔が来なくなると寂しく感じてしまう。「弁当卒業おめでとう」というケースだって、あるはずなのに。



「10月はやるんですか?」と利用者の一人から聞かれた。「いまのところ未定です」と答える。ホントに未定です。緊急事態がどうなるかも分かっていないし、当店のスタッフと仲間で市民劇団をやっていて、その公演が10/2にある。その日は確実に弁当を出せない。



私が脚本を書くのだが、昨年は映画「パブリック 図書館の奇跡」をモチーフにした「水ぎわのブレス」という作品を上演した。前者が『大寒波により命の危険を感じたホームレスが図書館を占拠する話』で、拙作は『台風で命の危険を感じたホームレスが市民会館を占拠する話』元ホームレスのばぁちゃんが、「ウチから学校へ避難しろって言われても遠くて行かれねぇ。台風の時は赤羽会館を解放すればいいんだよ。近所にホームレスもいるんだから」と話していたのを参考に設定を考え、多くのエピソードを盛り込んだ舞台にした。それが昨年の10月のこと。



既に月イチで夜回りとおにぎり配りを初めていたが、その数ヶ月後から毎晩弁当を作ることになろうとは、夢にも思わなかった。



現実の延長線上にある、地続きのような世界を夢想し、創作してきたが、不思議なものである。これから台風が来る度に思い出すようになるのかもしれない。2020年のあの芝居と、2021年の弁当作りの日々のことを。

どうか大きな被害が出ませんように。

(9/18のTweetより 一部修正)
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