トランプ前米大統領が26日、首都ワシントンで演説し2024年の次期大統領選への再出馬に強い意欲を示すと、米メディアもこぞってトランプ氏と旧統一教会とのズブズブな関係を大きく報じている。米国情勢に詳しいジャーナリストが語る。
「共和党の中でも、特にトランプ氏と旧統一教会とが深い関係にあることは周知の事実。トランプ氏は昨年9月、旧統一教会の友好団体UPF(天宙平和連合)がオンラインで開催したイベントで演説したのですが、創設者の文鮮明氏と、文氏の妻でUPF総裁の韓鶴子氏を『総裁らの業績は世界平和、より良い未来に向けて弛みなく働くこと、決してあきらめてはならないことを思い起こさせてくれます』『私が最も尊敬し称賛するワシントン・タイムズを創刊していただいた総裁の亡夫である文鮮明師に対しても感謝の意を述べたい』と、これ以上ないほどの言葉で持ち上げています。相当深い間柄であることは間違いないでしょう」
旧統一教会の友好団体「天宙平和連合(UPF)」のサイトによると、昨年9月の集会では安倍晋三元首相と共にトランプ氏もビデオメッセージを寄せた。教団を率いた故・文鮮明氏の夫人について「素晴らしい人物である韓鶴子博士に感謝したい」と切り出し、9分にわたり熱弁。「文氏と安倍氏はどちらも多大な功績に値する。素晴らしい仕事をした」と持ち上げた。
今年8月の集会では、トランプ氏が改めてメッセージを送ったほか、ポンペオ前国務長官やギングリッチ元下院議長も出席。他の集会では、ペンス前副大統領やチェイニー元副大統領も講演している。いずれも共和党内の保守重鎮だ。
上智大の前嶋和弘教授(米国現代政治)は「共和党にとって旧統一教会は敬虔 なキリスト教の一派で、福音派とも親和性があり重なる。イメージとして悪くないのだろう」と話す。「UPFにとって共和党は日本信者向けの広告塔で、共和党の元政権関係者にとってはお小遣いが手に入る団体なのでは」とみる。