命を救う現場

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がんセンターにおける現状や今後の課題点について

2023-03-07 04:04:40 | 課題

2012年に「がん対策推進計画」が閣議決定されました。
それ以降、がんセンターはもちろん、がん治療における環境の改善、とりわけ緩和ケアの推進が重要視されるようになっています。
それから10年ほどの時間が経過しましたが、まだまだ道半ばというのが実情です。
がんセンターにおける現状としてよく挙げられるのが「看護師の人手不足」「相談業務の不足」そして「苦痛のスクリーニングの徹底」です。


看護師の人手不足に関しては、医療業界全体で言われるようになって久しい問題です。
しかし、がんセンターの場合は純粋に看護師の数が足りないだけでなく、高度・先進医療に対応できるスキル・経験を備えた人材の不足も問題になっています。
そのため厚生労働省などでもがん医療を支えるスキルを備えた看護人材の育成の重要性が議論されている状況です。


2つ目の相談業務の不足は、がん治療全体に関わる問題でもあります。
要するにがんに苦しんでいる人やその家族が気軽に相談できる場所がない。
また、そうした相談窓口同士の連携がうまくいっていない問題があるのです。
がんに関する悩みを抱えている人がみんな真っ先にがんセンターに相談に訪れるわけではないため、窓口同士の連携がうまく機能することはとても重要なことになります。


3つ目は、がん治療を行うことでどのような副作用・苦痛が生じるのかを事前に患者に知ってもらう工夫や努力をすること。
そうすることで心の準備や覚悟を持って治療に臨むことができるわけですが、その環境づくりも十分ではないようです。
これは看護師の役割や医師との連携の強化とも関わってくる重要な部分でもあります。