天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

地上三センチの浮遊

2017-04-23 21:18:07 | エッセイ
「過去を手放すこと」

あまりにも苦しく、辛い出来事を経験すると、どうしても失ってしまうものがあります。深く傷ついて、戻らないものも。

それは、私のささやかな人生の中で、起こってきた事実です。

壊れてしまったものは、治らない。けれど、人は、それを補おうとする強さがあります。

それも、私のささやかな人生で、手に入れた事実です。

苦しく、辛い過去を無理矢理忘れることはないと思います。

怒りや憎しみを無理矢理抑え込むこともないと思います。

(もちろん、それらを誰かにぶつけることは、負の感情の連鎖になりますから、しないに越したことはありません。)

何かに怒り、何かを憎むのは、人間である以上、避けられません。

その気持ちを受け入れることが、大事なことなのです。

苦しくて、辛い渦中にいる時は、自分を責め、自分に価値がないと思い込んでしまいます。

そして、その過去に囚われたままだと、自分で自分を信じることができません。

それは、

どれだけ大きな絶望か!

私は、とても自己評価の低い人間でした。(今でも、その傾向はありますが。)

でも今は、

誰も何も責めることなく、その過去を生き抜いた自分を褒めてやりたいのです。

それをしてはじめて、

自分が前を向けるようになるのです。

人は、もがき苦しみ、それを抜けたかと思っても、また、泥沼にはまってしまう。

そんな繰り返しだとしても。

自分は、生き抜いてきた。

それだけでも、自分を評価できる根拠となりうるのです。

過去を手放すには、現在の自分を肯定することから、はじまるのかもしれません。