天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

冬の朝

2017-01-15 20:57:04 | 
冬の海が深緑に染まり
強い風に吹きつけられている

日陰の雪は
日中も溶けることがない

寒い寒い冬のある日

家に閉じこもる

小さな窓から見る

しらしらとした
箱庭の世界を見る

結露した窓ガラス
世界はぼんやりと儚い

それは

どこか人ごと

厳しい寒さも

つきささることなく

肩をすくめて

ブランケットに潜り込む









夜は寂しい

2017-01-14 21:21:10 | 
寒い寒い夜
心底凍える夜

小さな暖房器具に
こごまって

毛羽立った毛布に
くるまって

薄暗い部屋の片隅で

強がって
偉ぶって
かっこつけて

孤独を楽しんでるふりをしていても

こんな

しんしんと寒い夜は

しんしんに堪えてシマウ

寂しい
寂しい

膝小僧を

ひとり

舐める夜は

寂しい
寂しい

涙のタンクは
枯れ果てて

ただ

かたい寝床に
転がって

乾いた眼を見開いて

天井の白さを見るばかり

寂しい
寂しい

寒い夜は

寂しい
寂しい

崩れる

2017-01-11 20:14:06 | 
必死に築いた城壁
必死に積み上げた堤防

もう持ちこたえられない

崩壊する
決壊する

何を守ろうとしたのだろう
何を隠そうとしたのだろう

今となっては

どうでもいいこと

自分の魂など

強大で
剛腕な

システムの中で

些細なONE PIECEにもならない

崩れる
壊れる

だからなんだっていうのだろう

所詮は

取り替えのきく

歯車にすぎないのに



言葉は照らす

2017-01-08 22:40:31 | 
言葉は照らす

わたしの前方を
あなたの足元を

言葉は照らす

先人の知恵を
凡人の声を

言葉は音を持つ
言葉は色を持つ

言葉は扉を開く鍵
言葉は蕾を開く露

言葉は人を人にする
言葉は名無しを名有りにする

言葉は思考を形にする
言葉は感情を形にする

言葉は未来へのパスポート
言葉は過去からのメッセージ

けれど

言葉は天からは贈られない
無尽蔵のギフトではない

言葉は自ら手に入れるもの

誇りを持つこと
考えるのをやめないこと

社会の中で

言葉は

人を人たらしめる

人を奴隷にしたい輩は

言葉を奪う

言葉を手に入れることを許さない

この世界に

言葉を奪われ
言葉を学ぶことを許されない

人々が

どれだけいることだろう

(そして、確実に存在するのだ)

言葉は照らす

闇を
夢を































そんなの信じない

2017-01-06 20:35:32 | 
足の間から血が流れる

かたい床に転がされ

こわばった手足

破れた唇

私は死んだ

ただの骸として

生きることを強要された

もう私の瞳に

未来が
太陽が

うつることはない

それでも

私は

罪の子なのだろうか

永遠に

罰の茨に縛られ

血を流し続けなければ
ならないのだろうか

私は穢れたのか

魂が死してなお

許されないのだろうか

もう

私が

空を見ることはないのに