天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

希望の道

2017-04-05 19:30:08 | ショート ショート
私は駆ける。夜を駆ける。怖くなんてない。闇の向こうの光。それは、君だった。

私の裸足の足は血に染まっている。痛みは感じない。なぜなら、希望の道を走っているから。
君は、私の足を見て泣くだろう。痛かっただろうと、泣くだろう。もし、私が君の足から血が流れていたら、泣くのと同じように。

君は、私が私であることを認めてくれる唯一の人だ。そう言うと、君は首を振るだろう。私が私であるから、尊いのだと。僕が、どうこうではないと。

でも、私が人間であると、魂を持った人間であると、気付かせてくれたのは君だった。手を握り、力付けたのは君だった。

知っている?人は、人に優しく触れられてはじめて、強くなれるんだ。自分の中で、愛が生まれるんだよ。自分の価値がわかり、相手の価値がわかるんだ。それを教えてくれたのは、君だ。

私は、閉じ込められていた。自分は、無力で、無価値で、何もできないと思い込まされていたんだ。魂の牢獄。なんて、残酷な仕打ちだったんだろう!

けれど、君は、繰り返し繰り返し言ってくれたんだ。私は素晴らしいと。存在するのが奇跡なんだと。私が否定しても否定しても、諦めなかった。ずっと、抱きしめてくれたんだ。

私を縛っていた魔法は解けた。私は、難攻不落(だと思っていた)無情の塔から抜け出したんだ。

君は、よく扉を開けてきたと私の勇気をたたえるだろう。

君のおかげなんだ。

扉を開けたのは私だけど、鍵を開いたのは、君なのだから。


inspired by 『夜を駆ける』 スピッツ


さよなら

2017-04-04 19:08:21 | 
胸の痛みも
零れる涙も

大きな歯車が動くのを
止めることはできない

時は進み続ける

だから

過去の後悔も
未来の航海も

とりあえず

そこに置いて

さよならの握手をしよう

ごきげんよう
さようなら

頭を下げて
手を振って

いろんなものと

お別れしよう

会うのも別れるのも

宇宙の一瞬のキラリ

それは

そういうもので

人間が

必死に逆らっても

関係なく

パートナーチェンジを

させられる

偶然とか
必然とか

人間の筋書きなんて

関係なく

思いもかけない文脈で

出会いと別れの

ロンドを踊る