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台湾2・28事件から60年 沖縄県人犠牲者 解明へ

2007年02月23日 | 観光と文化
沖縄タイムズ

2007年1月7日 朝刊

台湾2・28事件から60年 県人犠牲者 解明へ
 中国から台湾に渡った国民党政権に地元住民が弾圧され、二万人余が死亡したとされる一九四七年の「2・28事件」から今年で六十年。県関係者三十人以上が犠牲になったとの報告もあるが、発生以来長く歴史の闇に葬られていた。節目を迎え真相解明を急ごうと六日、沖縄大学の又吉盛清教授らが記者会見し、「台湾228事件沖縄調査委員会」を立ち上げ、本格的な調査に乗り出すと発表した。同委員会は情報提供を呼び掛けている。

 会見には代表の又吉教授、台湾琉球協会の楊孟哲副代表、父親が同事件に巻き込まれたとみられる浦添市の青山恵昭さん(63)らが出席。「関係者は高齢化し、時間がない。最後の機会になるかもしれない。この不幸な事件で県出身者が亡くなったことを重く受け止め、調査を急ぎたい」と決意を語った。

 又吉代表によると、同事件で在台湾の県出身者や八重山、宮古から台湾の密貿易に従事していた人など三十人以上が犠牲になったという。調査は、(1)当時台湾にいた県出身者(2)日本の敗戦後台湾と密貿易をしていた県出身者(3)難を逃れて先島諸島に密航してきた在沖台湾人―の実態解明が目的。

 台湾琉球協会がパイプ役となり台湾の政府機関、行政院文化建設委員会も連動して進められる。今後、県内外で当事者や親族からの聞き取りを行い、二月二十八日に台北市で開かれる国際シンポジウムで、中間報告をする予定。

 又吉代表は中間報告後、被害者の補償が検討されるなど、「新たな展開になる」と期待する。

 同事件で県出身者も犠牲になっているが、人数や被害状況など詳細は判明していない。

 父親が失踪した経緯を追っている青山さんは「台湾からの引き揚げ者の中にも事件のことを知らない人がいる。多くの人に事件のことを知ってもらい、父の死を含め真相を究明したい」と訴えた。

 情報提供は又吉代表まで。メールか電話で受け付ける。メールはmatayosi@okinawa―u.ac.jp、電話は090(2397)9666。

[ことば]

 2・28事件 1947年2月28日に台湾で起きた民衆による反国民党の暴動事件。腐敗官僚の専制支配や、台湾人への差別に対する強い不満が爆発し、台湾全土で抗議行動が起こり、2万人以上が犠牲になった。80年代の台湾の民主化以降、事件の真相解明が本格化した。国民党軍が上陸し「虐殺の町」になった港町・基隆の社寮島(現・和平島)には沖縄人集落があり、事件に巻き込まれたことが分かっている。

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