言いたくないんだけど
我が家は、無闇に
いぬを
叱ったりは、しないよ
もちろん、自分も
と、言うより
自分はね
あれっ、あのおばさん⁉️
そうでもないか…
でも、もっと
言いたくないけど
あっちのご近所も
こっちのご近所も
何だか、罵声の嵐
我が家のおばさんの
比じゃない
それで、あっちの
罵声の主は、ご主人
ただ、ご夫婦とも
現役世代の、我が家よりは
ずっと、年上
年金生活の、高齢者
ご主人は、大企業の部長さん
だったらしいんだけど
一人娘さんが、結婚して
家を、出て行っちゃったから
かなり、寂しかったのかな
奥さんも、一時
身体を、壊していて
そのストレスも
あったのかも、知れない
で、あの家の
あのこは
柴の、おとこのこ
我が家のいぬたちよりは
少し、年下
それは、それなんだけど
我が家でも、
「あそこの家、柴のこいぬ
飼ったんだね」とか
「可愛いね」とか
我が家のいぬの散歩も
もう、家族ひとりで
二匹を、連れて行く
でも、散歩の始めに
みんな、あのこに
出会っているから
みんな、知っている
それで、話し合っていたんだ
でも…
ご主人
もう、おじいちゃんだけど
必死、一人だけ
玄関先で
しつけてるって、言うか…
怒鳴りまくっている
お手だの、お座りだの
ちんちんだの、色々
でも、その頃は
こいぬ、と言うより
赤ちゃんだよ
そんなに、がみがみ
知らない人間の言葉で
ああだ、こうだ
ああしろ、こうしろって
それも、いっぺんに
言われたって
赤ちゃんのこいぬが
分かる訳ないと
思うんだけど、可哀想に
年中、怒られっぱなしだよ
我が家も、みんな
おじいちゃんの
剣幕に、気圧されて
挨拶も、そこそこらしい
あのおじいちゃん
奥さんが
病気になって
自治会活動も
頑張るようになって
現役時代の職歴もあるから
今や、自治会の
幹部、顔らしい
だから、人付き合いも
良さげなんだけどね
きっと、やっぱり
凄く、寂しいのかも知れない
でも、それだったら
あの柴、あのこ
ごろうって、言ったかな
日本的な名前
ちっちゃな、あのこを
もっと、優しくしてあげて
まったりしてれば
良いと思うんだけどね
それとも、少しは
知らないところで
まったりしてるのかな
いやいや
朝から、晩まで
怒鳴りっぱなしだよ
それから、いぬの赤ちゃんが
こいぬになって
やがて、おとなになっても
ごろうは、叱られっぱなし
怒鳴られっぱなし
玄関口で、朝から晩まで
何年も、十何年も
あれが、出来ない
これが、出来ない
あれやれ、これやれ
部長さんだったせいなのかな
近所中に、響き渡る
遠慮のない、大声だ
怒鳴り散らしている感じ❓
今時だったら
完全なパワハラだよ
部下にも、あんな風に
叱っていたのだろうね
一日中
怒りっぱなしだよ
ごろうは
たまったもんじゃないよな
でも、それで
飽きることは、ないみたい
あれが、おじいちゃんの
飼い犬に対する
愛情表現❓
でも、まるで
ストレスの、吐け口にしか
思えないんだけど
散歩にも、毎日行くし
まあ、可愛いと
思っては、いた筈なんだけど…
結局、飼い主から
虐待受けているような
そんな感じだったから
ごろうは
少し、懐きにくい
そんないぬ
だったかも知れない
だから
ご近所さんなのに
我が家のいぬたちとは
まったく、仲良くなれなかった
ごろうが、散歩してると
我が家の二匹は
激しく、吠える
我が家の二匹が
散歩していると
ごろうが、激しく吠えた
まったく、仲良くなれなかったな
まあ、柴は
よく吠える犬種なんだけどね
でも、結局
ごろうは
そんな、短命でもなかったけど
ちびより、早くいなくなった
知らないうちに
おじいちゃんに
怒られ過ぎて
ストレス、溜まりまくり
だったのかな
でも、おじいちゃんは
もう、よたよた、だけど
朝の日課で
コンビニに、買い物に行く
今でも
ごろうとの、散歩の代わりかな…