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日記、日々の想い 

失われたいのち、ただ無残

おじさんの
いや、おじさんだった
ただのものとの
真っ暗な夜の
打ち捨てられた結核病棟の
更に、打ち捨てられた
電灯さえない
蝋燭一本の
霊安所の闇の底から
ほのかに浮かび上がる
白布に覆われた
あのものの無残
いのちの失われた
骸は、ただのもの
やがて、焼かれるけど
焼かれ無ければ
蛆に、食い尽くされて
白骨を晒して
ただ、容赦なく
風化していくのだろう
と思ったおまえは
しばらくして
いのちを拾った
失われたいのちも
そうして、おまえの腕に
また、戻った
ただ、儚い
おまえは、そのいのちを
無慈悲に、捨てた
おまえが、泣き疲れて
夕闇の迫る土手道
また、歩き始めた時
呆然と想いは
巡っていたかも知れない
いのちを捨てたおまえ
その捨てたいのち
その向こうには
あの真っ暗闇に
蝋燭一本に
仄かに、佇んだ
骸、いのちの残骸
そうしたのは、おまえ
取り返しはつかない
おまえは、そうして
罪を背負い始めた

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