それを待つ、自分
家族、みんな
偽僧侶のおばさんと
改めて、料金の事とか
あれこれ、話をしていた
火葬料金は
動物のサイズによって
違っている
小鳥から、して貰える
小鳥でも、大切に思って
お葬式をする人が
いるんだと、知った
たまたま、そんな時に
この霊園の
サークルに、加入している
若い女の子が、やって来た
偽僧侶のおばさんとは
とっても、親しいみたいだ
おばさんは
サークルの主宰でも
あるみたいだしね
彼女の愛犬の
祥月命日らしい
その愛犬は、室内犬で
台所で、一緒にいた時に
突然に、勝手口から
飛び出してしまったらしい
まだ、若いいぬで
元気が良くて
時々、不意に走り出したり
そんなことも、あったらしい
その日のその子は
勝手口を、飛び出すと
すぐに、道路があって
そのまま、飛び出してしまった
運悪く、クルマが
走ってきたのだと言う
偶然の不幸
でも、勝手口は
最近は、必ず
不意に、飛び出す
その子を、気にして
彼女は、いつもは
ちゃんと、閉めていたらしい
なにしろ、外は
目の前が、道路だからね
ところが、その日は
うっかりしてしまった
そう言うことらしい
その子は、もちろん
無慈悲に、跳ね飛ばされ
その子の生命は
無残に、砕け散ったんだ
まだ、2歳とか
そんな歳だったと言う
確かに、寿命だったらね
しろも、脳腫瘍で
可哀想な、最期だったけど
でも、大型犬サイズで
13歳だから、まあ
寿命の年齢でもあった
でも、その彼女の
その子は、まだ
とっても、若かった
それも、彼女が
勝手口を、うっかり
閉め忘れてしまった
彼女からすれば
自分の過失で
その子が、死んでしまった
その子を、失ってしまった
だから、自らを責めて
立ち直れなかったらしい
その日のことが
悪夢になって
悩まされたんだと言う
ただ、その子の
お葬式をした
このペット霊園の
このサークルに
通うことで、救われたらしい
偽僧侶のおばさん
だけじゃないんだ
愛するペットを、失くした
いろんな人たちと
いろんな話をして
だから、祥月命日
だけじゃなくて
毎週、来るんだと言う
彼女は、明るく
話してくれたけど
自らの過失で
その子を、失ってしまった
彼女の悲しみは
ちょっと、無理な
明るい口調に
かえって、その深さを
感じさせられた
そんな気がした
我が家は、しろを
ずっと、最期まで
家族、みんなで
しっかり、看取ったんだ
まだ、幸せ
だったのかも知れない…
fin