やっぱり、だめか…いや、でも…

当たり前に、あっちで
お漏らし
こっちでも、お漏らしに
なってしまった
そうだよな、やっぱりだ
いやいや、でも…
それじゃあ
そんな気持ちじゃあ
おまえが、そのことを
根に持って
いまだに、恨んでる
おまえの父親と
おんなじじゃないか
あの時は、父親が
いたいけな、こいぬを
怒鳴って、小突いて
さあ、するんだって

やってたよな
よく考えてみろよ
こいぬは、きっと
怖くて、怖くて
身を、竦めていた
それだけじゃ、なかったのか
それで、こっそり
お漏らし、しちゃった
きっと、それだけだったんだ
そうじゃなかったのか
おまえも、それを
ただ、身を竦めて
見ていることしか
出来なかったんだよな
それで、父親から
この子は、賢くないから

うちでは、飼えない
おまえが、拾ってきたんだから
おまえが、捨ててきなさい
そう言われるがまま
なんにも、言い返せない
なんにも、してあげられない
ただ、すごすごと
あの子を、捨てに行ったんだ
おまえのこいぬを
おまえのこいぬの
いたいけないのちを
おまえは、捨てたんだ
だから、その贖罪を
おとなになったおまえは
果たさなければ、ならない
そうだよ、今こそだよ
行き当たりばったりに
生きてきたみたいな
そんなおまえも

今こそ、父親を

超えなければならい
そうだな…
そうだよ
こいぬの行動を
もっと、よく
見なくちゃね
きっと、トイレに行きたい
そんな、サインがある筈だよ

そうして、改めて

行動を、観察してみた

それに、だいたい

大間違いだったよな

なんで、こいぬを

このトイレのトレーで

寝かせようとした❓

そんな、横着なおまえは

昔、あの子を捨てた

あの子どもだった時から

ちっとも、成長してない

いぬは、綺麗好きなんだ

寝床に、トイレなんて

絶対、あり得ない筈だよ

また、大概愚かなおまえは

酷い、過ちを

犯そうとしていたんだ…
　　　　　　　　to be continued