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日記、日々の想い 

教科書を、読まない…

教科書が、嫌いだった
与えらたものを、読む
そのことで、気持ちが
みるみる、重たくなる
重たくなって
文章どころじゃない
文字の、ひとつひとつも
さっぱり、頭に入ってこない
ひとに、読みなさいと
言われただけで
読むことが、辛くなる
読まなくちゃ、の気持ちで
いっぱいになって
ひと文字すらも
頭に、入って
来なくなるんだ
でも、だから
文字が、少なくて
地図で出来ている
地図帳が、大好きになった
地図は、見ていても
いろんな地形とか
国や、地域の図面で
出来ているからね
文字は、ぽつんぽつん
あとは、地図記号だけ
なんだか、気持ちが
凄く、軽くなって
いくらでも、見ていられる
でも、家にいる時は
百科事典の全集が
とにかく、大好きで
夢中で、読んでいた
冊数も、いっぱいあって
大人用の文字ばかりで
難しかったのにね
だいたい、読み方が
かなり、おかしい
何か調べたい、とか
ある訳ないから
ただ、端っこから
ひたすら、読んで行く
難しい話も、多い
でも、気持ちが
読みなさいって
言われてないから
読まなくっちゃとか
覚えなくっちゃとか、って
そんな重しが、全然無いから
まるで、空っぽになれて
とっても、気安い
どんどん文字が
頭の中に、入ってくる
変な、話だね
でも、余計な知識が
あれこれ、出来るから
友だちたちからは
かえって、感心されていた
ただ、やがて
書き取りや、書道が
下手で、苦手で
大嫌いになっていた
国語の教科の
そのままに、嫌いだった
その教科書で
偶然の、出会いがあった
なんでかな
分からないけど
ふと、こころに
引っ掛かってしまった
ずっと、教室で
読まされた後は
いやいやだから
家では、放り投げていた
そんな教科書を
家に、帰ってからでも
そこだけは、開いて
読み始めた
不思議なんだけどね
童話や、詩や、小説とか
最初に、記憶にあるのは
志賀直哉の『清兵衛と瓢箪』
だった、気がする
それから、だんだん
大っ嫌いだった筈の
国語の教科書なのに
気が向くと
そんなお話の、色々は
貪り読んでいた
そうして、やがて
学校の授業なんて
とっくに、放棄していた
思春期、高校の教科書で
『檸檬』に、出会った
もう、話題の作家とか
あれこれの作品を
勝手に、自分で探して
読み漁り始めていた
そんな頃だったけど
馬鹿にするようになっていた
押し着せの教科書で
そのお話に、出会えた
何故だか、分からない
その頃に、夢中で読んだ
あらやる作家も、作品も
様々な考え方や、思想も
殆どすべてに
まったく、興味を失って
しかも、遥かな
月日が、経ってしまって
今の、おまえは
ここにいるけど
ただ、そうなんだ
時々に、「丸善」の店頭の
本の山積みの上で
檸檬が、爆発する…
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