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日記、日々の想い 

しろの昇天、家族の悲しみ



お兄ちゃんに、抱かれて
しろは、痙攣しながら
宙を、足掻くようにして
伸び上がるようにして
一際に、苦しげな
断末魔の呻き声を
一声、叫んで
息、絶えたんだ
自分と、おかあさんは
悲しみも、そこそこに
しろのお葬式の
相談を、していた
うちの子が、亡くなって
しまったんだからね
お葬式を
しなければいけない
前から、あたりを付けていた
ペット霊園に
早速、電話をしてみた
明日、出来ると言う
あとは、また
みんなで、しろを
綺麗に拭いてやって
最期に住んでいた
玄関ホールのフローリングに
大好きだった毛布と
タオルで、くるんでやって
そっと、寝かせた
枕元には、水入れと
大好きなジャーキーが
入った、餌入れも
お母さんが、お花を
飾ったと思う
まったく
お線香もない家だ
でも、後で
お線香と蝋燭を
買ってきて
枕元に、灯して
お通夜を、した
長男と、帰ってきた次男は
あんまり、食欲がないみたいで
ずっと、付き添っていた
泣いていたのかも知れない
まったく、もうおとなで
たいがいな不良少年
だったくせにね
自分は、と言えば
みんなが、暇さえあれば
しろに、寄り添っているから
時々、ちょっと
撫でてやったくらいの
お通夜に、なってしまった
だから、自分は
ちょっと、悲しいけど
いい親父が
めそめそする訳にも、いかない
それで、ずっと
ちびちゃんを
ひとり、世話していた
もちろん、ちびちゃんは
なんにも、分からないみたいだ
もう、しろが
庭からいなくなって
結構、経っていて
庭で、一匹で暮らすのが
当たり前に
なっていたしね
でも、しろの
気配って、感じないのかな
家の中から
しろの気配が、消えたのも
気づかないみたいだ
ちびちゃんも、もう
随分な、おばさんだけど
でも凄く、元気で
寝てることは
増えちゃったけど
お父さんの持つ
リードに気づけば
もう、大騒ぎだ
それで、元気に
散歩に、行った
それで、帰りだ
玄関ホールに、寄ったんだ
一応、二匹を
最後に、対面させないとね
いくら、喧嘩ばかり
していたと言っても
いぬの兄妹として
ずっと、二匹で
庭で、暮らしたんだ
でも、しろの遺骸に
遠目から、飛びつこうとする
ちびちゃんの様子は
いつものように
戯れようとするみたいで
そこで、諦めた
人間みたいに
涙、涙のご対面なんて
そんな訳には
いかないよね
その日の、ちびちゃんは
本当に普通で
なんにも、気づいていない
そんな感じだったけど
でも、なんでだろう
しろが、庭から
いなくなった日から
一切しなくなった
あの遠吠え
夕暮れになると
町の防災無線から
流れてくるチャイム
「夕焼け、小焼け」
それに、合わせて
二匹が、日課にしていた
あの遠吠え
何故だろう
その日のちびちゃんは
久しぶりに
一匹で
あの遠吠えを、したんだ
なんでだろう
それで、悲しく
聞こえてしまった
気のせいだろうけど…
🐕
       to be continued




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