自分は、いぬを飼って
何度も、何度も
失敗したと思う
その一番の
原因だったのは
いぬのしあわせを
考えたつもりで
自分が、しあわせな
そんな気持ちになることを
そのことばかりを
考えていたからだと思う
もちろん、いぬの
しあわせなんて
ひとに、分かる訳はない
太古の昔に
いぬのご先祖の
草原の狼たちが
ひとの集落に近づいて
餌漁りを、始めてから
狼は、いぬになっていき
あんまり、しあわせでは
なくなってしまった
そうなのかも知れない
狼から、いぬになった
そのいぬたちは
草原の狼のように
お腹を空かして
何日も、草原を
うろつくことはなくなって
ひとの集落で
きっと、簡単に
餌にありつけるように
なったんだろう
でも、そんな時から
いぬは、ひとの思うような
そんな犬でなければ
ならないように
なってしまったのかも知れない
だから、いぬには
しあわせなんて
きっと、なくて
餌を与えて
思い通りにしようとする
そんなひとの
想いの、しあわせの
中で生きる
中でしか、生きられない
そんないぬに
なっていったのかも知れない
自分は、いぬを擬人化して
まるで、ぬいぐるみみたいに
あれこれ、洋服を着せたり
凝りすぎの餌を与えたり
そんな飼い方は
あまり、好きになれない
まあ、いぬにそんなに
贅沢をさせられる程
お金持ちじゃ
ないからなんだけどね
でも、いぬの贅沢は
所詮、ひとの思う贅沢で
いぬは、ちっとも
嬉しくないかもしれない
だから、自分は
いぬたちを、出来るだけ
自由にしてあげたい
思い通りに
生きさせてあげたいって
思っていたんだ
でも、そうすると
結構、あれこれ
ご近所や、通行人と
あんまり、上手く
いっていなかっり、とか
一度、自由にさせた事を
また、不自由に
戻さなければ
ならなかったりした
だから、いぬことを
思い通りになんか
ひとの社会じゃ
結局、出来る訳なくて
自分も、所詮は
独りよがりの
飼い主でしか
飼い主にしか
なれなかった気がする
