今朝の空港観測値の最低気温は、9.6℃でした。まあまあ、こんなものでしょうか。午後になって、最高気温は、21℃を超えています。だいたい晴れているので、かなり高くなりました。ただ、強風が吹き荒れているので、暖かさは、あまり感じません。まあ、風は、室内でごろごろしている自分とは、関係ないですけどね。たから、暖かく感じられないのは、年齢とともに、失ってきてしまっている低い体温のせいかも、知れません。
家の庭の西側に、枇杷の木が、植っていました。かなりな大木になってしまいました。家の二階の屋根を、超えるくらいです。多分、水脈とか、上手く当たったのかな、と思っていました。ただ、特別な品種と言う訳じゃないので、実は、種が大き過ぎて、ちょっと、食べれるところが、少ない。でも、木は大きくなるし、実は、毎年増えて、随分取れて、楽しめました。
ただ、問題が、出てきたんです。この枇杷の木、結構、西側の裏手の隣家に張り出してしまうんです。枝が。この枇杷の木を、移植をしたのは妻です。もちろん、庭などに、何の興味も示さない自分などに、妻の相談など、ありませんでした。
ただ、その頃の自分は、長く勤めた会社を辞めた後で、多少の芝居道楽にはまり、それを優先して、職を転々としていたりしました。一方ので妻は、と言えば、塾経営の上に、少子化の煽りで生徒が減り、ちょっとパートもして、たまの休みには、首都を跨いで、義父や、義叔母の見舞いに行ったりしていました。さすがの能天気な自分でも、罪悪感に苛まれます。皿洗いでは足りない、庭の草むしり位はするかと、思い立ちます。
庭の草は、黙々と、抜いていきます。妻に、教えて貰った芝生を、傷めない方法で。草抜きのフォークで、雑草を、狙って。芝を出来る限り抜かないように。妻は。でも、自分は。自分のことですから。ああ、面倒だな。それでなくても、しろが居なくなって以来、4mのケーブルを引き継いだちびが、怪しんで、首を突っ込んできます。あたしの庭に、何してんのよ、みたいな。もちろん、人の顔を、ぺろっとして、ご機嫌伺いはしますが。
ああ、面倒臭い。ちびもうるさいけど、草取りは、もっと面倒だな。まあ、いいや。あれっ!芝生ごと、抜いちゃう訳です。大概な禿げ庭に、なりました。すっきりします。何にも、生えてないけど。呆れたのか、ちびは、呆然と、突っ立っています。
ただ、やっぱり、目に入るのは、枇杷の木です。あれっ!張り出しちゃってるよ。まずいじゃん。それでなくても、その家とは、しろを飼ってからの、色々な気まずい出来事もあって、疎遠な間柄です。放置していたら、トラブルに、発展しそうです。トラブルだけは、面倒で嫌いな自分は、何とかしなければいけない、と思いました。
でも、これ、妻が、相談もなく、ここに移植したんだよな。妻のせいじゃん。そうだ、妻にやらせよう。妻に言おう。えっ、あのいっぱい、いっぱいの妻に言うの?それは、不味いよ。下手すると、離婚だよ。仕方がない、自分がしよう。だいたいこんな大木の剪定なんて、おとこの仕事だよな。うちでは、妻の仕事だったけど.色々、反省して。枝を切ろうと、なりました。
何にもやらないから、やったことないから。慣れてません。何もかも。脚立を、使います。180cmです。ええ⁉︎全然、届かないよ。張り出しているのは、ずっと上の枝です。脚立の上に、立ち上がります。中年太りの身体は、ぐらぐら、危うく踏み外しそうです。それでも、長い剪定鋏を、伸ばして、と。ぐらぐらっ。飛び降ります。そんなことの、繰り返しでした。
そもそも、剪定鋏の届きそうな辺りの枝は、太くて、この剪定鋏では、歯が立ちそうもありません。どうしたものか… だいたい、何で、こんな場所に植えたんだよ。それで、こんなに、大きくなって、喧嘩売っているようなもんじゃん。腹が立ちます。
でも、ちょっと、アタマを、使いました。そうだ、この張り出している枝の幹の、幹分かれしている根元から、切ってしまえば、と。これだけ育ったんだから、それでも、枯れないだろう、と。もう、鋸ですね。楽そうだ。電動があれば、もっと、楽そうだけど。仕方がない。ぎこっぎこっ。う〜んっ、まだまだだな。ぎこっぎこっ。う〜んっ。まだ、全然じゃん!とにかく、やるしかありません。ぎこっぎこっ、ぎこっぎこっ。あっ、ちょっと、傾いだ!もうちょいっ。ぎこっぎこっ。よしっ!もう、折れる。でも、隣家側には、絶対倒せません。慎重に。慎重に、慎重に。我が家側に、幹を。倒し込みました!
でも、それで、終わりません。枝を切り。みんな、切り。幹を、切り分けて行きます。可燃ゴミに、出しちゃう算段です。可燃ゴミの袋に、入れば、OKなんです。本当のことを言うと、妻に言われて、育ち過ぎる家のシンボルツリーのもちの木の枝切りを、させられたことがありました。もちろん、いやいや、させられたのです。ただ、何の手入れもしない自分なりに、少しやり方を、覚えていました。
平日の仕事の休みの日でした。妻は、塾関係か何かで、出掛けていました。帰ってきた妻に、当然、自分は、親切ごかしを、当て擦ります。「枇杷の木、切っちゃったよ。面倒だから、幹ごと。」「えっ、そんなに!枯れちゃうじゃん?」あっ、お聞き苦しくてすいません。じゃんじゃんって、自分の生地のK県の西部などでは、良く使われる、まあ方言ですね。妻は、K県でも、政令都市の出身なので、あまり使うイメージは、ありません。うつったんですかね。
「枯れないでしょ。あれだけ育ってんだから。」「え〜っ⁉︎」「仕方ないじゃん。あんなに、枝が出ちゃって。喧嘩売ってるみたいだよ。あんなとこに植えて。」「だって…」妻は、あんな大きくなるとは、思ってなかったそうです。ただ、ちょっと大きくなってきたから、もう、前の場所では、他の木と邪魔をし合って、無理だろうと。
ただ、新たに選んだ場所が、悪かった。どの隣家とも,すべてに距離を取れている我が家では、その場所は、西側と言っても、終日、日が、翳りません。そして、張って行く根が、良い水脈でも、捕まえたのかも知れません。それで、あんなに大きくなっちゃったんでしょう。確かに、自分の背にも足りなかったあの枇杷の木が、十年もしないうちに、二階を超える高さに迄、育ってしまったんですから。
ただ、切った幹から、また枝が伸びたり。他の幹が、そっちに伸びたり、と。そもそも、そっちは、西側ですが、隣の庭で、日当たり抜群なんですよね。だから、そっちは、とにかく、伸びるんでしょうね。それで、何度も、何度も、枝落とし、いや幹切りを、繰り返しました。自分が。「参ったよ。まったく、あんなところへ。」愚痴も、言いたくなります。「ふ〜んっ、分かった。」と、妻。
あるの日の夜、「切っといたよ。枇杷。」と、妻。「あっ、そう。」自分。翌日は、休みです。庭に出ました。何しろ、ちびもいますからね。ふんふんっ。こちょこちょっ。ぺろっ。え〜っ?お散歩?また、あとで。さあ、枇杷の木。どのくらい切ったのかな?えっ!ないじゃん‼︎ 綺麗さっぱり。あっ、切り株だけ。だって、みんなで、喜んで、枇杷、食べてたじゃんっ‼︎