そのことを、後悔していた
そうなのかも、知れない
どうしてかと、言えば
ゆめを、見ない少年の
そのゆめに、こいぬは
甦って、ただ
道端で、寂しげに
佇み、消え入るように
か細く、泣いていたからだ
でも、こいぬは
気づくことはない
もう、いのちは
いのちの蝋燭は
消えてしまう
寸前なのだろう
もちろん、そうしたのは
少年だから
こいぬのいのちの
消えて行くその瞬間は
少年の白日夢になるけど
こいぬが、その温もりが
虚空に差し出した
少年の両腕に
その胸に
戻ることはない
それは、ただ
少年が、そのこいぬを
捨てたからで
決して、贖えない
罪があるのだと
少年は、そのことを
思い知るのだ