でも、本当は
知っているよ
子どものおまえが
浅はかで、気持ちの軽い
そんな子どもだったように
息子も、きっと
なんにも、しないし
出来もしないんだ
でも、おとなになって
多少は、成長したおまえは
妻と、下の息子が
貰ってきたこいぬで
改めて、こいぬの飼い方を
しっかりと、学んでいたんだ
だから、息子が
なんにも、出来なくても
自分が、こいぬを育む自信は
もう、出来ていたんだ
新しい家族のこいぬを
養う家計だって
おまえが、支えていた
こいぬを、家族にするのに
誰かに、頼む必要なんてない
そうだな、おまえも
それなりには
おとなに、なっていた
そう言うことだ
それと、妻は
母と違って、いぬ好きだ
妻は、手の離れていく
息子たちの代わりに
いぬの息子に
かえって、依存していた
そんな感じだった
だから、一匹が
二匹に、なったら
彼女の日常は
二倍に、豊かになる
そんな風にも、思えた
とにかく、いぬたちの
おかあさんに,なり切っている
そんな妻は
新しいこいぬも、大切に
大切に、育ててくれたし
しつけは、まあ
甘やかし過ぎだったけどね
おまえも、休みの日には
こいぬの面倒を
それなりにはみた
妻の代わりにね
少し、厳しく
したかも知れないけど
まあ、息子も
抱っこして、撫でて
ごはんくらいは
たまに、あげていたかな
でも、おかあさんが
とにかく、こいぬを
離さないから
息子は、たいして
なんにも、しなくても
なんの問題も起きない
だから、おまえは
ちょっとまずいなって
思ったりもした
息子に、いのちのことを
教えたかったからかな
「おまえも、もっと
面倒みないとな」とか
言ったりは、したと思う
でも、違ったのは
「面倒をみれないなら
こいぬを、捨ててきなさい」
とは、おまえは言わなかった
いや、言わなくても良かった
そんな残酷な言葉は
誰でも,言いたくはない
妻のおかげだけど
ただ、結果として
おまえは、父より
甘い父親に,なってしまった
そうなのかも、知れない
息子は、こいぬの
いのちの儚さと
そのいのちを、育むことの
厳しさを、十分には
知ることは、なかった
そんな気もする
でも、それはそれだ
あのこいぬを、抱えて
捨てに行った
おまえと同じ痛みを
息子も、知る必要など
きっと、ない
父親のおまえが
それを、知っていて
おまえも、妻も
息子たちも
みんな、いぬが大好きで
いぬたちも、家族が
大好きで
お互いを、大切にして
儚いいのちだったけど
いぬたちも、それなりに
まっとう出来た
それで、良かった
おまえの捨てた
あのこいぬのいのちは
少しは
報われたのかも、知れない…
知っているよ
子どものおまえが
浅はかで、気持ちの軽い
そんな子どもだったように
息子も、きっと
なんにも、しないし
出来もしないんだ
でも、おとなになって
多少は、成長したおまえは
妻と、下の息子が
貰ってきたこいぬで
改めて、こいぬの飼い方を
しっかりと、学んでいたんだ
だから、息子が
なんにも、出来なくても
自分が、こいぬを育む自信は
もう、出来ていたんだ
新しい家族のこいぬを
養う家計だって
おまえが、支えていた
こいぬを、家族にするのに
誰かに、頼む必要なんてない
そうだな、おまえも
それなりには
おとなに、なっていた
そう言うことだ
それと、妻は
母と違って、いぬ好きだ
妻は、手の離れていく
息子たちの代わりに
いぬの息子に
かえって、依存していた
そんな感じだった
だから、一匹が
二匹に、なったら
彼女の日常は
二倍に、豊かになる
そんな風にも、思えた
とにかく、いぬたちの
おかあさんに,なり切っている
そんな妻は
新しいこいぬも、大切に
大切に、育ててくれたし
しつけは、まあ
甘やかし過ぎだったけどね
おまえも、休みの日には
こいぬの面倒を
それなりにはみた
妻の代わりにね
少し、厳しく
したかも知れないけど
まあ、息子も
抱っこして、撫でて
ごはんくらいは
たまに、あげていたかな
でも、おかあさんが
とにかく、こいぬを
離さないから
息子は、たいして
なんにも、しなくても
なんの問題も起きない
だから、おまえは
ちょっとまずいなって
思ったりもした
息子に、いのちのことを
教えたかったからかな
「おまえも、もっと
面倒みないとな」とか
言ったりは、したと思う
でも、違ったのは
「面倒をみれないなら
こいぬを、捨ててきなさい」
とは、おまえは言わなかった
いや、言わなくても良かった
そんな残酷な言葉は
誰でも,言いたくはない
妻のおかげだけど
ただ、結果として
おまえは、父より
甘い父親に,なってしまった
そうなのかも、知れない
息子は、こいぬの
いのちの儚さと
そのいのちを、育むことの
厳しさを、十分には
知ることは、なかった
そんな気もする
でも、それはそれだ
あのこいぬを、抱えて
捨てに行った
おまえと同じ痛みを
息子も、知る必要など
きっと、ない
父親のおまえが
それを、知っていて
おまえも、妻も
息子たちも
みんな、いぬが大好きで
いぬたちも、家族が
大好きで
お互いを、大切にして
儚いいのちだったけど
いぬたちも、それなりに
まっとう出来た
それで、良かった
おまえの捨てた
あのこいぬのいのちは
少しは
報われたのかも、知れない…