まあ、わんこは、人間より成長が早いけど。だから、R-12という事はないかも知れないけど。R-15でも、ないかも知れない。でも、少なくとも、18禁では、あるよな。生意気なんだよ。子どもの癖に。
なんだけど。悪いのは、しろじゃない!あの牝犬。薄汚れたおばちゃんにしか、見えないんだけど。あの、飼い主!なに、考えてんだ‼︎
この「犬の話」で、以前ちらっと触れたけど、散歩に行く時に、降りて行く階段脇の家。夜になると、飼い犬を、放しちゃってる。本当、いい加減な家だ。
それで、まず散歩の行き帰り。まあ、その時間帯は、その牝犬も、繋いではある。しろが、行く時も、帰って来る時も、何か、吠えもせずに、ちょこちょこっと。色っぽく、近寄って来る。あっ、ちょっと、これは、中年親父の不潔な邪推入りです。でも、何か、気があるみたいで、少し嫌な感じ。
だいたい、しろは、まだ子どもで、まっしろで、散歩していると、「まあ、綺麗なわんちゃん!」とか、言われるんだけど。そのおばちゃん犬は、昔のスピッツが、入っているような長めの毛並みで、薄茶色で、かたちも、あんまり可愛くない。しかも、碌にブラッシングもしていない感じで、毛もばさばさで、薄汚れている。
しろはと言えば、お母さんが、年中ブラッシングをしていて、加えて、嫌がるしろを、虐待しながら、お風呂にも、定期的に入れていた。あっ、これお母さんの、ただの加虐趣味です。でも、もともと艶やかでまっしろな毛並みが、光り輝いている。まったく、あんなおばちゃん犬と、釣り合わないんだよ。
ここに書いている犬の話も、時系列は、結構、行き当たりばったり、とっ散らかっているけど、それなりに、前へ進んで来た。しろだけから、ちびも入った犬二匹の生活が、もう始まっている。ただ、数年戻っちゃうんだけど。語り始めた話は、しろとちびにとって、重要な前振りの一つになる。何しろ、しろとちびは、九年も、一緒に暮らしたんだから。
少し、前から、警戒はしていた。そのおばちゃん犬が、夜、うろうろしているのに、気付いてしまったから。だけど、しろが、庭に入れちゃって…、とは思っていなかった。一応、しろは、その犬が、夜、前の道をフラフラしているらしい時は、ちゃんと、吠えていたし。
しろは、散歩の時は、強きに跪き、弱きに威張る典型的なスネ夫タイプの犬ではあった。だけど、家にいる限りは、どんな相手にも、強気で、吠えていた。あのセントバーナード並みに、ドスの効いた野太い吠え声で。
ふと、何か、嫌な感じがした。ちょっと、しろの息遣いがして。何だか、他の犬の息遣いも、混じっているような。「あれっ?」「なにが?」「いや、しろ。ちょっと、おかしくない?」「分かんない。」いや、おかしい。リビングは、雨戸を、四分の一位、閉めていなかった。でも、確か、リビング前には、サンダルを置いていなかった。その日は。何か慌てて、玄関から、ぐるっと回って。庭へ。あっ!
やっちゃってる!すいません。ここが、18禁です。なんだよ!ふざけんなよ。もちろん、やってるしろじゃなくて。その下の、おばちゃん犬。まだ、しろは、子どもなんだぞ。不純異性交友どころか、淫交罪じゃないか。あっ、犬には、無いか。とにかく、しろの首根っこを掴んで、引き離した。ただ、場所が、場所だった。リビングと、和室の間。濡れ縁の隅。縮こまったおばちゃん犬。汚れ切った毛並みで、触るのも憚られる。
ちょっと、怒鳴ったかも知れない。ますます縮こまるおばちゃん犬。後で考えれば、随分と可哀想なやり方をしたけど。水道のホースで、水を掛けた。妻も、心配そうに、リビングから、顔を出した。「まったく、あそこの家の犬だよ!」「あらっ…」
縮こまったままのおばちゃん犬。そうか、逃げ道か。前を開けて。脇から、更に水。やっと、逃げ出した。まったく!一息。でも、一応。ちょっと、気になった。和室と、生垣の前の脇道を覗く。あっ、いた!こらっ!瞬間、いなくなった。おばちゃん犬。生垣の下を、潜り抜けたたようだ。生垣の根元は、犬が、身を屈めれば、すり抜けられる位の隙間があった。玄関扉は、閉めてあったんだけど。ここが、盲点だったか。
翌日、自分は、会社だから、何もしなかった。だけど、妻が、小さなガーデニング用の仕切る木の柵を、いくつも買って来てくれていた。それを、早速、生垣の根元に、隙間なく差し込んでくれてあった。
もう、これで安心だね、としろに。ふんっ、て感じ。えっ、ひょっとして。気持ち良かった、とか?ちょっと、これは、お母さんには言えない。男同士の話。でも、あのおばちゃん犬だよ。ブラッシングもしてない、汚れ切った。しろ、ちょっと、趣味、悪過ぎ…
これが、しろの初体験でした。何だかなあ。で、まだ、後日談も…