もう、寝た切りになって
やがて、意識も朦朧
脳腫瘍で
ただ、強い鎮痛剤だけ❓
そんな、感じだったから
一日中、寝ていたけど
夢を、見ているのかな、と
そんな時があった
おかあさんとふたり
しろを眺めていた
どちらが、気づいたか
それは、覚えていない
もう、立てなくなった足だけと
前脚を、ゆっくりだけど
動かしていた
中空にね
まるで、歩いているみたいに
いや、きっと
走っているのかも知れない
それは、少なくても
苦しくて
もがいているのではなかった
それは、しろの顔で
よく分かった
むしゃむしゃしながら
でも、気持ち良さそうな
安らかな表情
時々来る痙攣とは
まったく、違った
凄く、気持ち良さそうに
おかあさんとふたり
きっと、しろは
あの大好きだった公園
芝生広場を
走っているんだね
しろは、夢を見ている
ふたりは、しあわせだった
きっと、しろも…