ちびには、秋田の血が騒ぐ

やっぱり、ちびには
秋田の血が、騒ぐんだよね
秋田いぬは
ただの忠犬「ハチ公」ではない
地のいぬに
大型の洋犬の血も
入れたようだ
狩猟民のまたぎの人たちに従う
猟犬として、飼われて
やがて、番犬となり
闘犬としても、飼われた
そして、秋田は
いちばん大型の
日本犬でもある
ただ、ちびは雑種で
大きめの、中型犬サイズにしか
ならなかったけどね
かと言って、秋田の血筋は
主治医のお爺ちゃんの
お墨付きでもあったし
おんなの子でも
闘う血は、受け継いでいた筈だ
ましてや、しろみたいに
生まれてから、ずっと
恵まれた環境に
いた訳じゃないからね
我が家では、もちろん
大切にしたけど
ひとりっ子状態だったしろと

同じだけには
手を、掛けられなかったかな
おまけに、赤ちゃんで
一度捨てられた
経験が、あるんだ

幼児体験は

きっと、ひともいぬも

三つ子の魂、百までだと思う
飼い主が、突然消えて
空き地で、たったひとり
置き去りにされた
苛烈な体験だったんだ
こいぬの頃には
なんか、その
人間不信の雰囲気も
少し、感じる
そんなことも、あったと思う
もちろん、生後三か月位で
拾ってきたから
最初の飼い主や
捨てられたこと
その辛い記憶は
随分と、時間が
解決してくれたのだろう
でも、当たり前だけど
しろほど、ぼうっとした
いぬには、ならなかった
我が家と言う群れの中で
直接のライバルのしろには
絶対、勝とうとした
特に、避妊手術を
受けてから、そうなった
やはり、やや
中性的に、なったのかも知れない
ただ、それでも
しろの方が
明らかに、体格的に優位
もちろん、体力もだ
なにしろ、しろは
俊足で、跳躍力も抜群
スタミナも、疲れ知らず
家族で、気のすむ迄
散歩に行ってやった
そのことも、あったと思う
５、６kmは、結構行った
これは、日本犬の雑種では
あまりないと思う
そり犬や、競争犬に次ぐ
運動量は、あった
しろとの散歩で
途中で、バテバテになって
お兄ちゃんに、抱っこで
帰って来るちびとは
歴然の差だった
それなのに、だ
おとこの子と
おんなの子なのに、だ
ちびが、一歳を過ぎると
ちびの強気には、逃げるだけ
おかあさんに、助けを

求めることしか、出来ない

情けない、しろ

勝ち誇る、ちび
そんな関係が

出来上がってしまった
秋田の血が騒ぐ、ちび
おぼっちゃま犬で
困ると、すぐ「ママア💦」
と、甘えて縋る、しろ
しろは、ちびに
弱さを、見透かされて
二匹の関係は
ますます、歪んでいったかな
　　　　　　　　　　　　ｆｉｎ