ひかりを、見たのは
きっと、生まれて
初めて、目を開いた
その時なんだろう
そのひかりは
夜の室内照明の
弱く、柔らかいひかり
だったんだろうか
それとも、いま
こうして、目を細める
苛烈な、昼日中の
お日様の、日差し
だったんだろうか
でも、恐らく
そのひかりを、知った
その時から、ずっと
ひかりに、目を灼かれて
身体も、灼かれて
灼かれ続けた
そうなのかも、知れないけど
そのひかりは
あらやるおまえの
じめじめした、いのちの営みを
無慈悲に、暴き出す
そうなのだろうけど
その灼き尽くされた
その先には
おまえの蠢く
薄汚いいのちなどは
干からびて、風化し果てて
透明な無
それだけになる
そうなのかも、知れないけど
でも、そのひかりは
あらゆるすべてを
透明に収束させる迄の
ほんの僅かな、その時間に
おまえのいのちに
束の間の輝きを
きっと、与えるのだ
そのことを、本能として
知っているおまえは
やがて、灼き尽くされる
そのことも、知りながら
その苛烈な
ひかりを
求める
求め続ける…