少年の指先
透き通っていて
血流が見える
ただその血流は
どろどろの赤じゃない
やがて、透明に回帰
そんな淡く美しい
きっと、真紅だけど
その向こう側には
透明が見える
いや、透明は見えない
子どものおまえは
結構な荒れ性
いつもがさがさの肌
おまえの指先
ささくれている
何で、おまえは
おまえのいのちは
こんなに荒れていて
ささくれていて
汚いのだろうか
いつも、いつも
そう思っていた
そう思って来た
それでも、何とか
汗水垂らして
ふと、指先を見た
意外と艶々
意外な程、美しい
ささくれていない
透き通ってはいない
でも、きっと
汗水していた
おまえのいのちの輝き
そうか、これで良い
おまえなり
美しい…